3.【変わるものとそうでないもの】
魔女の〝天使〟はたびたび現れました。
それは草や、花、時には小動物になることもあるようで、その度に魔女は柔らかな慈しみをもって愛でるのでした。彼女の〝天使〟に対する想いは、常人には理解の及ばない領域でした。それを見つけてしまうと全てをほっぽり出してしまうのですから。
「あ、おい、ちょっと。どこ行くの?」
少年は、立ち上がりどこかへと消えてゆきそうな魔女の手首をつかまえました。
「鳥が、」
「鳥? ……あれのこと?」
魔女の目線は一心に、上空を飛ぶ小さな鳥の群れに注がれていました。
「あの中にいるみたい。ふふ、きっとあの一番体が小さい子だわ」
ぱたぱたと、浮ついた声を上げる魔女までもが空へと羽ばたいてしまいそうでした。
「はいはい。でも今は、僕らに授業を受けさせることの方が重要でしょ」
みんなのところへ行かなきゃ、と少年に腕を引かれ、やがて鳥の群れも山向こうへと去ります。
少年の手指は魔女の手首を回って、指同士がくっついていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます