3.【変わるものとそうでないもの】



 魔女の〝天使〟はたびたび現れました。


 それは草や、花、時には小動物になることもあるようで、その度に魔女は柔らかな慈しみをもって愛でるのでした。彼女の〝天使〟に対する想いは、常人には理解の及ばない領域でした。それを見つけてしまうと全てをほっぽり出してしまうのですから。


「あ、おい、ちょっと。どこ行くの?」


 少年は、立ち上がりどこかへと消えてゆきそうな魔女の手首をつかまえました。


「鳥が、」

「鳥? ……あれのこと?」


 魔女の目線は一心に、上空を飛ぶ小さな鳥の群れに注がれていました。


「あの中にいるみたい。ふふ、きっとあの一番体が小さい子だわ」


 ぱたぱたと、浮ついた声を上げる魔女までもが空へと羽ばたいてしまいそうでした。


「はいはい。でも今は、僕らに授業を受けさせることの方が重要でしょ」


 みんなのところへ行かなきゃ、と少年に腕を引かれ、やがて鳥の群れも山向こうへと去ります。

 少年の手指は魔女の手首を回って、指同士がくっついていました。


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