異世界要塞
冬斗
第一章 異世界拠点
第1話 始まり
「はぁ。」
私は日本のとあるOL。
ごくごく普通のブラック会社に勤めている。
三徹は当たり前。日曜なんて勿論サビ残だ。
そして今は四徹後で終電ギリギリの電車に滑り込んでやっと帰れるのだ。
着いた駅の階段を降りているその時だった。
「あっ、」
ツルッ
その瞬間、私は階段で滑って階段の下へ体が投げ出されていた。
地上までまだ30段以上。そして階段に頭を打ちつけるとなれば…
ゴロゴロッ ガンッ
案の定、階段の角に頭を強く打ちつけその意識を失ったのであった。
・
・
・
ううーん?えっと私は頭を打って…?
「おーい。」
ここは何処だ?周りが白い。病院か?
「おーい、起きてるでしょ?」
でもそれにしては白すぎるし、他に何もない。
「もう!起きてるでしょ!」
「うぇっ!だ、誰?」
そ、そういえば目の間に金髪の男性がいるな。私の知り合いにこんなイケメンは居ないから目の錯覚か、妄想かと思ってたけど現実!?
「やっと気づいた?僕は世界を司る神様さ!」
彼はそう自慢げに言った…
「あ、あの神様?
なんで私は此処に呼ばれたんですか?
全ての死者に神様自ら会っている訳ではないでしょうし…」
そう。そうなのだ。宇宙は広大だ。
人が住んでいる惑星は地球だけではないだろう。そんな世界でどれだけ死者が出るかは推して知るべしだ。
そんな死者に一人一人会っていたらそれだけで一日が終わるし、時間が足りないだろう。
「あー、理由知りたい?」
「あ、やっぱりいいです。」
神様の目の奥が少し怖かったから理由は聞かないことにして別の話にすり替える。
「そういえば神様って名前あるんですか?」
神様がまるで自分に興味を持ってくれたことが嬉しいかのように話しだした。
「名前かい?僕はバルドルさ。」
「あ、そうなんですね。カッコいいです。」
「ふふんっありがとう。って、危ない危ない。用事を忘れるところだった。」
あ、そういえばわざわざ呼んだ(多分)ってことは何か用事があるってことだもんな。
「神様。用事ってー」
「バルドルって呼んで?」
…めんどくさい。この神様。
「…バルドル様。用事って何です?」
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