第22話灼熱の溶岩洞窟へ
旅立ちの朝
「いよいよ溶岩洞窟か……」
俺たちは宿を出発し、街の南にある溶岩洞窟を目指していた。準備は整っているものの、その場所がどれほど過酷な環境なのか、少し不安が残っている。
「みんな、本当に準備は大丈夫ね?」
アリサが確認するように全員を見渡す。サラは大剣を軽く振りながら答えた。
「心配しすぎよ。これだけ準備したんだから、問題ないわ」
「そうそう!きっと楽しい冒険になるよ!」
リーナが笑顔を見せるが、その背中には耐熱マントがしっかりと装備されている。
「油断は禁物よ。溶岩洞窟は高温だけじゃなく、地形も罠も厄介だと聞いているから」
アリサの言葉に俺たちは全員頷き、気を引き締めて歩き始めた。
洞窟の入口
数時間の道のりを経て、俺たちはついに溶岩洞窟の入口に到着した。そこには熱気が漂い、地面からじんわりと温度が伝わってくる。
「うわぁ、本当に暑い……」
リーナが額の汗をぬぐいながら言う。その横でサラが呆れたように笑う。
「これで驚いてたら、中に入ったらどうなることやら」
「中はもっと暑いだろうな……気をつけないと」
俺も緊張しながら入口を見つめた。その時、突然近くの岩陰からモンスターが飛び出してきた。
最初の戦闘
「出たわね!」
アリサがすぐに剣を抜き、俺たちもそれに続く。飛び出してきたのは、炎をまとった狼型モンスターだった。
「火狼か……最初の相手にしては厄介ね」
サラが大剣を構えながら言う。火狼は鋭い爪を振り上げ、こちらに向かって突進してきた。
「リーナ、援護を頼む!」
「うん、任せて!」
リーナが冷静に杖を構え、火狼の足元に魔法を放つ。青い光が足元を絡め取り、動きを封じた。
「今よ!」
アリサが剣を振り下ろし、火狼の一匹を仕留める。俺も後に続いてもう一匹に攻撃を仕掛けた。
「これで……終わりだ!」
俺の一撃が決まり、最後の火狼が地面に崩れ落ちる。初戦を終えた俺たちは、息を整えながら顔を見合わせた。
「思ったより手強かったけど……なんとかやったね!」
リーナが笑顔を見せる中、アリサは真剣な表情で周囲を見渡していた。
「まだ入口よ。これからが本番だわ」
洞窟内の高熱
洞窟に足を踏み入れた瞬間、全身を覆うような熱気が襲ってきた。耐熱装備を着けていても、暑さが容赦なく伝わってくる。
「……これ、本当にやばいな」
俺は額の汗を拭いながら呟いた。リーナも暑さに耐えながら魔法を準備している。
「これじゃ、普通に歩くだけでも体力が奪われちゃうよ……」
「だからこそ、無駄な動きをしないことが大事ね」
アリサが冷静に言い、俺たちは慎重に足を進めた。
最初の罠
しばらく進むと、天井から突然火山弾が降り注いできた。赤く輝く岩が地面を焼き尽くし、熱波が辺りに広がる。
「みんな、気をつけて!」
アリサの声に従い、俺たちは急いで避ける。だが、サラの肩に小さな火山弾の破片が当たり、軽く火傷を負った。
「くっ……大丈夫よ!」
サラが無理やり笑って見せるが、その顔には痛みが浮かんでいた。
「サラ、無理しないで!すぐに手当てする!」
リーナが急いで回復魔法を唱え、サラの火傷を癒していく。
「これが洞窟の洗礼ってわけね……気を引き締めないと本当に危ないわ」
サラが呟き、俺たちは全員で改めて気を引き締めた。
エンディング - 洞窟の奥へ
罠を乗り越え、俺たちはさらに洞窟の奥へと進む。熱気はさらに強まり、道も狭く険しくなっていく。
「これから先、もっと危険になるわ。慎重に行きましょう」
アリサの言葉に頷きながら、俺たちは一歩一歩進んでいく。先に待つのは、さらなる試練と危機感。それでも全員が決意を胸に歩き続けた。
次回予告
第23話では、溶岩スライムとの初めての苦戦が描かれます。熱に特化したモンスターの恐怖と、全員が翻弄される中での連携にご期待ください!
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