【コント】双子の患者さま

沼津平成

第1話

 双子のAとB。


 兄の執刀医Aと、弟の患者B。


 新米の青年が処置に当たっていた。


「よし、トイレにゆこう」


 青年は席を外した。


 ガチャ。


 Aが入ってきた。Aはベッドの前に立ってBを見下ろした。


「おーこれはBではないか。よしよし助けたるぞ」


 Bがうめいている。Aは「うーん、薬もってこい」といった。


「え、青年いないんか!」


 Aが考え込みながら麻酔をとりだす。


 Aは無意識に鏡の前にたった。そして麻酔を自分にやってしまった!


 ガチャ。


 青年が入ってきた。


「よし、あー患者さん、そんな立ってはいけません」


 青年は、Aをベッドに置かせると、「バイタル正常、血圧100、正常——」双子のチェックを始める。

「今日はBの手術かー、あれ? Aさんどこに行った? んもー、兄なんだからしっかりしてよ!」

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【コント】双子の患者さま 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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