ポコチャ離婚

じゅうじ@かいごせんし

第1話


2024年8月、元嫁はポコチャでの配信活動を始めた。彼女は友だちの事務所に所属し、配信者としての第一歩を踏み出した。最初は、投げ銭目的や副業としてのスタートだったが、私自身も副業には賛成的だったため、心から彼女の活動を応援することに決めた。


最初の頃は、彼女は「ママライバー」として活動していた。視聴者との距離感を大切にしながら、日常の出来事や子育ての裏話を配信する姿は、どこか親しみやすく、多くのリスナーを惹きつけていた。彼女の配信には、温かい雰囲気が漂っていた。


「今日は子どもたちと公園に行ってきたの」と、彼女はカメラの前で微笑んだ。その瞬間、視聴者からのコメントが次々と流れ始める。「素敵な一日ですね!」「子どもたちかわいい!」といった声が溢れ、彼女の顔には満足そうな笑みが広がった。


私は、そんな彼女を見守りながら、少しずつ彼女の成長を感じていた。配信の中で彼女は、自分の考えや感情を素直に表現し、視聴者との絆を深めていった。彼女が自分の居場所を見つけていく様子は、私にとっても嬉しい光景だった。


しかし、配信活動が進むにつれて、彼女の心の中には新たな葛藤が芽生えていく。次第に、視聴者からの期待やプレッシャーが彼女を圧迫するようになったのだ。「もっと面白いことを言わなきゃ」「視聴者を楽しませなきゃ」といった思いが、彼女の心に重くのしかかっていた。


そんな彼女を支えるために、私は時折配信を見に行き、コメントを残すようにしていた。「頑張ってるね!」「あなたの配信、いつも楽しみにしてるよ!」といった言葉を送ることで、少しでも彼女の励みになればと思った。


ある日、彼女が配信を終えた後、ふと不安そうな表情を浮かべていた。「最近、ちょっと疲れちゃった」と彼女は言った。私は、その言葉に胸が締め付けられる思いがした。彼女が自分のペースで楽しめるよう、心から支え続けたいと思った。


この新しい世界での彼女の挑戦は始まったばかり。私もまた、彼女と共にこの旅を見守り続ける決意を固めた。


---


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る