偽家族——犯罪者の巣窟で
沼津平成
第1話 高校生二人、シュウヤとサキョウ
誰それが死んだ、という言葉にもうあまり惹かれなくなってきた。連日テレビで取り上げられているニュースは、シュウヤとサキョウの二人組の犯行だらけだ。
「宝石店の窓ガラスが
キャスターが読み上げる。
「防犯カメラの映像によると、犯人は鈴木修也容疑者たち二人組の反抗と思われます。警察は指名手配を始める見通しです」
まじで? 悟られてんじゃん。シュウヤはサキョウを呼びに行くが、サキョウはいない。
「あ……続報です! 容疑者のうち一人、えーと、猪野左京容疑者! 逮捕されました。
現地の高村カメラの配信に映っていたのは、紛れもなく、二人の部屋の窓だった。
窓に出て確かめてみようかと思った。しかし、もしそれが本当だったならば自分もばれてしまう。左京、吐くなよ——。暗闇の中、修也はずっと祈っている。
「左京容疑者はこのホテルで逮捕されました。ホテルの支配人に話を伺います。ニノ谷さん……」
大声が響く。ニノ谷さんの声なのだろうか。
そうだとしたら、俺は終わりだ——修也は頭を抱えた。
親友を失った今、自分はもうどうすりゃあいいのだろうか。
偽家族——犯罪者の巣窟で 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel
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