ダイニハ ねこ吸いじゃなくて人吸い
7月29日
カチッカチッカチッカチッカチッカ、、、、、、、、、、
カーテンからの木漏れ日が顔を照らし僕の視界にうざったく余韻を残している、差し込んだ光の柱は均一で揺らがない、だがその中の空気が微かに揺れている。
光の反射で見える埃は羽のように舞い、美しい様子を目の中の水辺に浮かべていた。
「う゛ぅ、今ぁ、何時くらいだぁ?」
喉に違和感を感じるいつもの朝、絢爛な光の先にある窓辺の上にある時計に手を伸ばす。
手で避けたカーテンから差し込む霧のような木漏れ日は僕の顔を煌々と照らしその光に思わず反射的に目を細める。
いつもより重く甘く痺れた体を急かすように動かしながら窓際にあるであろう時計を探り掴んだ。
少し目脂のついた目を擦りながら時計を顔の目の前に近づける、少し雲がくる視界はまるでいつかの忘却をその背筋に感じさせていた。
「う゛ぅん、ふわぁーあ、ふっ‥‥‥‥‥ん?‥‥‥‥‥‥‥‥え?」
時計の鋭く短い針はある一点を差しながら静止していた。
現在時刻8時32分02秒
駆け巡る学校とゆう言葉
さらに学校に着かなければいけないタイムリミット時間にして8時
そこから導き出される約32分のロスタイム
幾度と重なった僕の今までの遅刻の回数その数まさに今日で20回、、、、
そして僕が起きるさい急いでたのにも理由がある。
きおつけていた、きおつけていたはずだった。
つまり、いや必然的にその数字は僕の停学を意味していた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
自分の目を疑って目を擦って再度急いで確認してみたものの時計はまるで死んでいるかのように沈黙を貫いていた、8時32分02秒で止まっている時計、静寂に包まれるこの空間、駆け巡る将来への不安と恐怖、僕の顔は顔から血の気が引きその顔からはハイライトが消え僕の体はベットに突っ伏し大きめな犬の死体と化していた。
しばらく頭を冷やし。
「起きるか‥‥‥」
起きることにした、あまり気は進まない、当然だけれど起きて学校に行ったところで、、、いや行っても行かなくても変わらない
何だか最近よく遅刻というか寝過ごすことがある、朝に弱くなったそんなニュアンスが一番近い気がするが今までそんなことはなかった、というか部活の大会など練習諸々で朝は5時や6時ぐらいでかなり早いので人並みには朝は得意なはずなのだ。
やはり疲れてるのだろうか?。
そんなことを思いながら。
甘い痺れが沈澱した体をよじらせながら。
9.807 m/s²の重みをいつも以上に感じながら。
目覚めの悪い朝に体を覚ました。
「はぁ‥‥‥‥‥」
定期的に起こるクソデカため息をしながら前を見ようとすれば暗く黒くなる
いつものようにドワを開け階段を下る、降る途中そんな時なんだかふらっとして反射的に手すりを掴んだ
刹那、掴んだ方の腕の指先に電気に打たれたような燃える強い痛みがはしる。
「痛いっ!え、あっちょm」
一人暮らしの静寂に響く轟音、階段の段に沿ってかなりの速度でゴム毬のように体が弾みながら落ち、リビングの扉の前まで転げ落ちた。
「゛あ、、゛あ゛うぁ」
不幸に次ぐ不幸、背中を打ち横隔膜が麻痺し呼吸ができなくなる、まるで呼吸の仕方を忘れたよう無感覚に襲われる、一応受け身は取ったが所詮素人の猿真似、苦しいことには大した差もなく苦しいままだった。
なんだか最近こんな感じなことがよくある、大体原因はわかっているのだけれど、、それがまた厄介なのだ、床に手を当て痛みで痺れる体を起こす、そんな時右手の傷に視界が落ちた。
「マジこの傷‥‥‥‥」
僕の右手の人差し指にはアザらしきものができている、このあざは最初切り傷で、いつの間にかあざになっていた、結局アザはアザだろと思うかもしれないが特殊なことに跡?とゆうか形、そして色がおかしい、基本アザは少し赤かったり少し紫ぽくなってることが基本、ぼくの場合は完全に青色だ、まぁまだ色はいい、全く世話を焼いてるのはこの形、なんなんだこの『ザ☆厨二病』感満載の柄は、学校では女子に冷ややかな目で見られ、このように痛がっているときには『アルティメットドラゴンが暴走してるぞ』なんて言われる始末である。
最初そんなことを言われた初夜は恥ずかしくって『お前らもどうせ小学生の頃は謎のドラゴンの絵の具セットをこぞって買っていたくせに!!』なんて言いながら枕を濡らしていたのを思い出す。そしてそんないじりも長続きするものだと思っていたが。
だが流行とは移り変わりが早いもので最近はもう言われなくなったものの逆に変なレッテルを貼られた挙句変人扱いという、、、ほぼやっていることは当て逃げだ。
「はぁ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
ぼくは途中再度フラつたりもしたが立て直しいつもより冷たく感じるドアノブを握った、そしてそんな時
「はぁ、、はぁ、、、、、、、」
誰もいないはずの扉越しのリビングから乱れた今にも消えてしまいそうな息遣いの音が聞こえてきた。
僕は握り捻ろうとしていた手を一旦止め、僕は思考を巡らせた。
一年ぐらい前から僕しかいないこの一軒家、そしてその間誰にだってこの家の中に誘ったことはおろか入っていい?なんてお願いしてくる人なんてこの1年間少なくともなかったこの家に、僕以外の生物がいたことはない。
Qこの声は?
A分からない
とゆうことだ、ワンチャン強盗とゆう説もあるが流石に人が起きそうな8時に盗みを働くバカはいないと思うし、そもそもうちにはお金なんてものは存在しない、その時点で強盗まがいではない、、はずだ!!
結果から残った答えはわからない、このままそっとしておけばシュレディンガーの猫ならぬシュレディンガーの吐息となりこのドワを開けないことでなかったものとゆうことにできるが、やはり人間の好奇心とゆうものはとても濃く、僕は無意識のうちにドアノブにかけたままだった手をひねった、次の瞬間ドワは動き、僕は思わず固唾を飲んだ、そしてドアからはいつもより鋭い金属音が部屋に響き渡った。
だがドワを開けるといつものようなリビン、、、、、、?
「へ、、、、、、、?」
僕は思わず口を開け、目の前の光景に黙った、そして吐息の正体は姿を現しさらにその吐息まじりの言動も輪郭を成していった。
「へへへ、、、ほんとに、本当に!!、いい匂いだなぁ♡」
目の前の異形のツノが生えた少女は僕の服を床中に撒き散らし今にもとろけそうな幸せそうな顔をしながら、僕の服を一生懸命に顔におしつけて匂いを吸っていた。近くに本人がいるとゆうのに気づかないほどに夢中で朧げな顔をしている。
僕はというと俄然口が空いたままだった、自分の服を女の子が吸って喜んでいるこの状況は全健全な男子の夢当然嬉しくないわけがない、だがそれ以上に僕は何だか怯えていた、何なのだろうこの冷たさは。
「スゥーハァ〜♡スゥーハァ〜♡、、へへへへへぇ、、ん?」
彼女は何かしらの視線を感じたのかこちら側を振り向いた、僕と目が合った、僕と目が合った瞬間彼女の顔は徐々に色を失い口角は下がり真っ青な顔へと変わっていくのが見てとれた、そして両方の思考が停止し見つめ合うこと5秒、、
「「え?」」
両方ともの疑問と疑問が重なった、何が何だかわからず、でも何かいけないものを見てしまった感覚に襲われて、気まずくて
「つ、次から、部屋に入る時は、ノックしてからにするね?ね?」
なんて意味のわからないことを口走った。
「やめろ!?人のそのぉなんだ!とにかくやめろ!?父親みたいなスタンスの優しさを出してくるの!!」
彼女はそういってなかなかにキレのあるツッコミを決め込んだ、
「ご、ごめんなさい?、いやいや、じゃなくてじゃなく、君はいったいだr」
僕が思った質問を焦って吐露している途中、彼女の方にそっと目を向けると、彼女はすでに逃げる体制をとっていた。そしてこちらがその情景にハッとしている間にダッシュで扉を壊しながら逃走を図っていた。
「あ、ちょっと!!、、、行っちゃった、、か、、」
一様僕も声をかけようとしたもののあまりにも早いその神速にも匹敵する速度に為すすべなく敗れた、僕はその場から彼女を追った。
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