Joke 19 Jukebox

雛形 絢尊

火のないところで煙草は吸わない

慣れないタバコを吸った。

喘息持ちということを

忘れて承諾してしまった。

私の右手には煙草の煙が登っている。

美味しいのか不味いのかは

分からないその味は、私の喉を焼く。

私は火を"消した"と思い込み、その場に捨てた。



響き渡るサイレンの音はこの街だけではない。

その音はこの街が焼けたことを表した。

煤になった街は全てを

曝け出したような風貌になった。

それはいつの間に日本全土を巻き込み、

日本は灰の土地になった。


それは日本だけではなく世界に広がった。

海を超えてその火の粉は降り注ぐ。

国境を超えて燃え盛る

その火は世界を包み込む。



【한국전국주의하세요】(韓国全域に注意報)

일본에서 화사하게 흐르다

(日本から火の粉が降ってきた)

소울시에는

(ソウル市内は灰の街に)


【Massive damage from Japan】

(日本からの大規模被害)

New York becomes a city on fire as sparks rain down from Japan.

(日本から火の粉が降り注ぎ、

ニューヨークは火の街に)


【Scintille dal Giappone】(日本からの火の粉)

La storica Torre Eiffel è bruciata.

La città di Parigi è ridotta in cenere


(歴史あるエッフェル塔が燃え尽きた。

パリの街は灰の街に)


「1382回目です。

こんな映像が意味あるんですかね」

「いや、どうとかじゃなく、決まりだ。

見せないといけない」

「まあ、吸い殻捨てて人殺してますからね」

「自分のやったことを

しっかり責任を取らなければいけない」

「それにしても、

まあ、彼もう白目剥いてますよ」


慣れないタバコを吸った。

喘息持ちということを

忘れて承諾してしまった。

私の右手には煙草の煙が登っている。

美味しいのか不味いのかは

分からないその味は、私の喉を焼く。

私は火を"消した"と思い込み、その場に捨てた。

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