『防衛費不払い』

やましん(テンパー)

『防衛費不払い』

 

 『これは、宇宙娯楽オペラ風味フィクションです。他意はございません。』





 近年は、ミサイルも精度が高くなり、どんな外国からでも、誤差数ミリ以下とかで、ミサイルが飛んでくる。


 明らかに、ある人物を狙ってくるわけだ。


 しかも、限定された数メートル範囲にしか被害が出ないとか、というのもある。ただし、その狭い範囲内は、ほぼ、完璧に消滅する。しかし、消滅すると、成果が確かめにくいとか、周囲に与える恐怖感が小さいとか、欠点もあった。


 まあ、使い方次第である。



 ガチャだま連合国は、長年、となりのアッケラカーン共和国と対立して、戦争ばかりしてきた。


 このほど、ガチャだまの首相が野党の党首と、交代したのである。

 

 まあ、そうしたことは、良くあることで、あまり国民も気にはしなかった。


 ところが、この新首相は、アッケラカーン共和国の大統領と、あまり、知られざる、つながりがあったのだ。


 だから、久し振りに、和平がなるのではないかとも、識者の一部には期待されていたのである。


 周囲の国々も、かなり、戦争疲れしていたから、いいかげんに平和な時代にはしたかったのだが、なかなか、それぞれ、諸般の事情はあったのだ。


 一番の問題は、極超大国『地球』と、超大国『火星』の対立である。


 ガチャだまも、アッケラカーンも、地球の月に位置していた。月には、7つの国が乱立していたが、この2国が他を圧倒していた。


 しかし、いまや、地球から火星は、2時間程度の通勤範囲である。


 そのふたつの対立は、回りを振り回さない訳がない。


 地球は、ガチャだまを、火星は、アッケラカーンを支援していた。


 とはいえ、火星は、やはり、地理的には、地球の月にたいしては、やや、不利である。


 ヤーシーマーンは、ガチャだまの地方都市に住んでいたが、年を取り、仕事ができなくなったうえに、医療費が溜まっていて、最近税金が払えなくなってきていた。


 収入はないから、所得税は年金に掛かる。


 もんだいは、防衛税にあった。


 新首相は、防衛を重視していたが、そのための資金として、防衛税を引き上げたのである。


 払わない人を、防衛する義務はない、と言っていた。

 

 その背景には、地球政府の大統領がいた。


 ガチャだまの、防衛をする予算を削ると言い、いやなら、負担を増やせと通告してきた。


 アッケラカーンからしたら、悪い話ではない。


 ところが、双方のトップは、つまり、仲良しだったのである。


 ただ、地球と火星は、今は、犬猿の仲であり、あからさまには、仲良くしにくい。


 また、ガチャだまは、かなりの財政難である。


 役に立たない国民は、密かに消してしまいたいと、やや過激な新首相は思っていた。


 また、アッケラカーンは、ガチャだまの、地球からくる、先進技術が欲しかった。


 そこで、ガチャだまは、地球政府の危機感をあおる作戦に出た。


 ガチャだまが、攻撃姿勢に出たら、火星は、また、ほっておかないだろう。


 月の他国が、アッケラカーンを攻めるかもしれないから。


 近年は、『謎の太陽系第9惑星』が、密かに勢力を伸ばしてきていて、地球にも火星にも脅威になりつつあった。第9惑星は、明らかに、太陽系の覇権を狙っていたのである。月の、一部の国に援助しているとも。


 しかし、まだ、正体すら判ってはいなかったから、非常に不気味がられていた。

 

 ガチャだまの新首相は、恐怖と熱狂による、国民の掌握を狙っていたのである。


 そこで、まずは、防衛税を不払いの連中の一掃を計った。


 あるばん、ヤーシーマーン宅の上空から、アッケラカーンから発射された小型精密原子破壊ミサイルが、飛んできたのである。


 ヤーシーマーンの差し歯には、極小チップが内蔵されていた。


 しかし、その晩の味噌汁の中のめざしが固すぎて、差し歯が折れてしまったのである。


 ヤーシーマーンは、ミサイル着弾の数分前に、差し歯をほったらかしにしたまま、近くのコンビニに、お茶を買うためにでかけていた。


 コンビニが、小さく揺れた。


 帰ってみたら、小さな自宅だけが消滅していたのである。


 その晩、あちこちで、似たような攻撃があった。


 ガチャだまの新首相と、アッケラカーンの大統領は、限定的戦争に踏み切ろうとした訳だ。


 もちろん、計画的にである。


 しかし、非常にまずいことに、ヤーシーマーンの自宅の地下には、かつて、21世紀後半、嵐の時代の地球政府が密かに埋めた、忘れられた極超大型熱核爆弾が縦に埋まっていて、たまたま、どういうわけか、時間差で、うまく、衝撃が伝わった。


 月は、大爆発した。


 残骸は、地球をはでに直撃した。


 太陽系の内側経済は崩壊し、火星も、大打撃を受けたのである。


 それで、第9惑星が、簡単に覇権を握った。


 ヤーシーマーンのことは、誰も知らない。


 ま、そんなものだ。



      おわり



🐰🐰🐰🐰🐰🐻🐻🐻🐻🐻🐼🐼🐼🐼🐼🐨🐨🐨🐨🐣ヤレヤレスネテルナ




 ( ´-ω-)y‐┛~~😌♨️🍶うい〰️〰️、かってにしろ〰️〰️☺️



     🙇


     🙇



     🙇


(注)やましんは、お酒を頂きません。


























 

 


 

 


 


 


 

 

 


 


 

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『防衛費不払い』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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