#4 ニュースの騒動
霊異研究会のメンバーである神崎小雪は、偶然このニュースを目にした。最初は何となく時間をつぶそうとしていたが、画面に有馬直清のインタビュー映像が映ると、彼女の耳が鋭く反応した。
「猫耳の女……真相……森……霊異……?」有馬の小さな声が、神崎にははっきりと聞こえた。
彼女は思わず背筋を伸ばし、目を見開いた。「猫耳の女?一体何を言ってるの?」
それは、最近部で調査していたある都市伝説を思い出させた。噂では、森の中で「猫耳のような耳を持つ白いドレスの少女」に出会う人がいるという。その姿はまるで幽霊のようで、顔は誰も覚えていないのに、その尖った耳だけが鮮明に記憶に残るらしい。
「何見てるの?」隣で霊異書籍をめくっていた長谷川葵が、神崎の異変に気付き尋ねた。
「葵、聞こえた?さっきの子……有馬直清っていうんだけど、インタビューで『猫耳の女』って言ってたのよ!」
「なんだって?」長谷川は驚き、書籍を放り出して神崎の隣に座った。画面をじっと見つめた後、ふと笑い出した。「聞き間違いじゃないの?猫耳の女だなんて、ちょうど部で話してた都市伝説じゃない」
「聞き間違いなんかじゃない!」神崎は不満げに眉をひそめながらも強く言った。「それに森や霊異って言葉も出てたの。これが偶然だと思う?」
長谷川は神崎の真剣な表情を見て、次第に顔つきが引き締まった。そして、急に興奮した様子で笑いながら彼女の肩を叩いた。「これは面白い!もし彼女が本当に猫耳の女に関係してるなら、霊異研究会にとって最高の調査対象だよ!」
神崎は唇を噛み、不安げに画面を見つめ続けた。内気な性格ながらも、その心はこの謎めいた出来事に強く惹きつけられていた。
「でも、偶然にしてはできすぎてる……本当にそんなことが……?」彼女は小声でつぶやきながら、この不思議な出来事をどう理解すべきか考えていた。
長谷川は携帯を手に取り、自信満々に笑みを浮かべた。「真実かどうかなんてどうでもいい!とにかくこの有馬直清って子を見つけて話を聞かなくちゃ!もし本当に猫耳の女に会ってたなら、私たち霊異研究会の出番でしょ!」
「どうやって連絡取るの?」神崎は少し疑わしげに葵を見た。
「この前授業で一緒だったルームメイトらしき子がいたでしょ?あの子に話したことあるし、それか図書館に行けば彼女のこと分かるはず。これだけ大きな出来事なら、見つけるのは簡単だよ」
神崎の背筋に冷たいものが走った。興味はあるが、恐怖も拭いきれない。「でも、葵、本当にこの調査を進めるの?もし猫耳の女が本当に存在していたら……」
「存在してたら、なおさら面白いじゃん!」長谷川はおどけてウィンクし、恐れ知らずの笑顔を見せた。電話を耳に当てつつ、「大丈夫、何かあっても私がいるからさ!それに、もしかしたら本物の霊異事件に出会えるチャンスかもしれないよ!」
神崎は小さくため息をつき、無言でうなずいた。彼女は分かっていた。どれだけ怖くても、葵の決意を止められない。結局、霊異研究会を設立したのは、未知と神秘を追い求めるためだったのだから。
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