隣国より

とりたろう

墜落



 今思えば、私に軍人なんて向いていなかったんです。

 あの日、朧気な意識のまま空を飛び続けていられたのは、たった一筋の目も痛めそうな光に従ったからだと思います。

 どこに向かっていたか?何をしていたか?そもそも私はなぜあの状態だったのか?

 あの日のことは何も思い出せません。ただ、一通の手紙を手に自国へ戻っていたような気がします。

 誰かに渡すように言われた手紙です。

 隣国より寄せられた、何かとてもとても大切で、私の運命を決めるような手紙だったような気がします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る