人型ルアーは 誘う釣り針
独立国家の作り方
プロローグ
都市伝説と言う言葉が一般的になって間もなく、高校生の間ではある噂が広まっていた。
一見すると普段通りの教室、それでも誰もが違和感を覚える。
そんな中、突然知らないクラスメイトの名前を叫びながら発狂する生徒が増えている、という噂が。
経験するまで、それは誰もが単なる噂だと思っていた。
しかし、東京都内を中心に、その違和感を体験した生徒は日を追うごとに増加してゆく。
更に不思議な事に、それら都市伝説を調査しても、誰もが噂の発端に到達することが出来ないのである。
取材は当初、決まって順調に進むが、肝心な核心部分に触れようとすると、誰の記憶にもその事実が残っていないと言う。
同じ頃、日本各地では奇妙なフライング・ヒューマノイド(空に上がって行く人間)の目撃証言が相次ぐ。
それは、ユーマ(UMA)などではなく、人間の男女などのカップルが昇天してゆくと言う不可解なものだった。
更に年月が過ぎ、新たな都市伝説が密かに語られるようになって行く。
それが「人型ルアー」の都市伝説である。
人型ルアーはその名の通り、人間そっくりに作られた釣り具の「ルアー」である。
魚釣りで使われるルアーは、小魚に似せたものを、釣り人が如何にも生きているように竿を操り、魚を騙して釣り上げる道具だ。
この人型ルアーも、まるで生きた人間のように社会の中で生活をし、人間関係を築き、時には恋をする。
そして、恋に落ちた瞬間を狙い、天空へと釣られて行くのだとか。
・・・・誰に釣られるのか? それは専らの噂では「宇宙人」に、とされている。
オカルト専門家の間では、この都市伝説は、先の二つが結び付き発生した単なる噂とされている。
それでも学生の間では、身近なオカルトとして語り継がれているのだそうだ。
それだけ登校した朝に、教室に違和感を覚える生徒が多い事の証明でもある。
・・・・この教室には、もう一人誰か居たのではないか、という違和感が。
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