第19話 高梨美亜の兄さん観察録①
私、髙梨美亜は現在、図書室にて観察対象がやってくるのを待っています。なぜなら兄さんと城戸穂乃花が今日の放課後にここで勉強するという噂を聞いてしまったからです。ただでさえ私の大好きな兄さんを奪っておきながら、早速といわんばかりに勉強デートをするなんて言語道断!
兄さんも兄さんで、なんでそんなにすぐそういうことをするのかが分かりません!なので私がしっかり見張って、少しでも変なことがあれば無理矢理にでも介入して止めさせます!それで二人の関係性がギクシャクになって別れる運びになればオールOK!
…っと、少々騒がしくしすぎてしまいましたね。気を落ち着かせなければ、深呼吸深呼吸。
って、そうこうしているうちに対象が図書室にやってきました。まずは兄さんが図書室に入り、少しして城戸穂乃花が入室。事前情報通り対象は2名、これより要観察期、厳戒態勢へと移ります。
観察対象2名は広めのテーブルに座り、勉強道具を広げて勉強を開始しました。2人は基本黙々と、分からないところがあった際にはお互いに教え合いながら勉強しています。
…何やら兄さんが本を取りに行くために席を立ちましたね。私もバレないように追いかけます。どうやら参考書を取りに行ったみたいですね。席に戻って勉強を再開しました。ちょっと様子を見に行こうかな。兄さんたちの席から見えない位置に隠れて、2人の様子を伺います。少し経った頃、2人が話し始めました。
「…あのさ、城戸さんって、俺より成績いいよね?なんで俺と勉強を一緒にしようってなったの?」
「そ、それは…高梨くんは、私の彼氏…だから…」
「そ、そうか」
その話があった瞬間、城戸穂乃花が恥じらう様子を見せた。こんな時に彼女アピールですかそうですか。付き合い始めたからって、わざわざ周りに人がいる中でやらなくてもいいじゃない。兄さんも兄さんでやらなくてもいいのに。嫉妬しちゃうじゃないですか。
っと、流石に長居しすぎましたね。そろそろ自席に戻らないと、勉強道具を置きっぱなしにしているのにいなくなった迷惑者と思われかねないのでね。この後の観察は、元の場所に戻ってから続けましょう。
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その後、特になんということはありませんでした。勉強して、時折2人は会話しながら、閉門時間までその時間は続きました。どうやら一緒に帰るみたいだったので、2人の後を尾行する形で追いかけます。物陰に隠れ、バレないように、慎重に。
兄さんたちが向かった先は、見慣れない家。そこで別れて城戸穂乃花が入っていく様子を見るに、ここは城戸穂乃花の家でしょうかね。あ、城戸穂乃花が照れてる。あれだけ離れているとはいえ何かしら話して照れさせるとは、兄さんはやっぱり人たらしですね。
とはいえ今日の目的はこれで終了しました。兄さんも私が図書室にいたということは認識しているはずなので、特に予定もない私が兄さんより遅く帰るのは何かしら疑われそうなので、兄さんに見つからないように近道をして先に家へ帰ります。
…ふぅ、なんとか兄さんより先に帰り着きましたね。ひとまず今日はここまででしたけど、明日以降も同じように勉強するみたいなのでまた続けますか。
「ただいま〜」
「お帰り兄さん」
待っててね兄さん。最終的に私を選んでもらえるように、私頑張るね。
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