好きな子に告白して振られたら、振ってきた子含め何人もの女子に追われてます

Yu(カクヨム界の駄犬)

プロローグ

「ごめんなさい」


俺の初恋は今、振られたことで幕を下ろした。


(やっぱり俺からしたら、城戸さんは高嶺の花だったんだろうか)


俺が告白した相手、城戸穂乃花さんは、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経も抜群と言うこともあり、男女問わず学園内の色々な生徒から注目されている。そんな彼女にお近づきになりたいのか、告白する男子も後を断たないが、その全てが断られていると聞く。一体どれだけ彼女は理想が高いのだろうか?


「ああ、わかった。こっちこそ、放課後なんかに呼び出してすまなかった」


こうして俺は別れを告げてその場を立ち去った。





***********************


「ねぇ、あれって」


「髙梨だよな?なんであっちから来たんだ?」


「さぁ?…ねぇ?彼が来た方向に行ってみない?」


「「賛成」」


彼女たちが向かった先にあったのは、空き教室。その中に、一人の少女がうずくまっていた。


「あれは…城戸か?」


「みたいね。うずくまってるってことは…」


「もしかして、彼に告白して振られたとか?」


彼女たちはそんな風に予想していた。一方視線の先にいる女子は…。





***********************


(あああああ私のバカ!なんで彼の告白振っちゃったの!)


数刻前、彼…髙梨君が私に告白をしてきた。正直ものすごく嬉しかった。本当なら、彼からの告白に対しては即刻OKを出すはずだった。なのに…


(なんで緊張しちゃっていつもみたいな対応しちゃったのよ!本当に馬鹿馬鹿馬鹿!)


そう、あまりにも緊張しすぎてしまい、告白された相手が髙梨君だと言うことも忘れて、いつもみたいに振ってしまったのだ。


(彼は、私のヒーローなのに…)


私は恥ずかしさのまま、しばらくその場にうずくまったままいた。





***********************


「ただいま~」


「おかえり、馬鹿兄貴。で、告白はどうだった?」


「相変わらずだなお前は…。振られたよ」


「そっか、ふーん」


「なんだそのリアクションは」


「別に」


帰宅して早々、義妹の美亜に辛辣な言葉を言われた。”馬鹿兄貴”と。なんでこいつ相談乗った後にこんなことぬけぬけと言いやがるのだろうか?そんなことを考えながら、俺は部屋に戻って行った。





***********************


(…兄さん、まだ付き合ってないみたいだから、私にも、チャンスがあるってことだよね)


兄さんが帰ってきてからすぐ告白の結果を聞いてみたら、振られたみたいだ。普段辛辣な態度で兄さんのことをあしらっているが、初めてあったときからずっと好きだった。今ではそんな気持ちがどんどん肥大化していってる。


「しっかり、アピールしていかないと…」


そういって私は天を仰いだ。

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