『短歌の秋』投稿作品 秋のラストステージ

ゴオルド

くりかえし茹でこぼすような推敲で午前三時に鍋かぶり泣く

『短歌の秋』の最終回です。


 肩から力を抜いて、日記をつづるような気持ちで取り組もうと思います。



 推敲を何度も繰り返して、だけど、やってもやっても、わかりやすく展開が転がるようにはできなくて、そもそもストーリーに致命的な弱点があることに気づいてしまって、鍋でも被って泣いてしまいたい、そんな午前三時です。


 また、自分の言動を振り返って、今さら推敲したって遅いのに、推敲を重ねて、泣いてしまう夜もあります。なんであんなこと言っちゃったんだろう。鍋でも被るしかないのです。この脳みそを鍋で茹でこぼして、余計なものをシンクに捨ててしまえたらいいのに。



 何度も茹でこぼすといえば、栗の渋皮煮が真っ先に思い浮かびます。人生で一度しかつくったことがないのですが、手づくりだと自分好みの甘さに加減できるのがいいですね。


 渋皮煮も美味しいのですけれども、栗のお菓子なら「栗きんとん」が一番好きかもしれません。お正月の栗きんとん「じゃないほう」の栗きんとんです。もちろんお正月の栗きんとんも好きですよ。


 じゃないほうの栗きんとんは、人生で二度ほどしか食べたことがないのですが、思わず笑ってしまう美味しさでした。


 美味しすぎるものを食べると笑ってしまいます。昔からです。もともと笑い上戸なところがあるのですが、それが加速してしまうのです。

 脳みそを茹でこぼしたら治るかもしれません。

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