前のエピソード――第24話　自分にしか書けないものを探す

創作において、何よりも大切なのは自分の価値観に忠実であることです。外部の評価や他人の意見は時に役に立つこともありますが、それを基準にしてしまうと、自分の作品がどこかで薄れてしまいます。自分の価値観を優先し、そこに忠実に書くことが、作品に本当の力と個性を与えるのです。

私自身、創作を続ける中で、周囲の意見や流行に影響を受けることが多々ありました。特に、評価が欲しいという気持ちから、「これを入れた方が受けがいいだろうか」と考えてしまうこともありました。しかし、そうやって書いたものはどこかよそよそしく、しっくりとこないのです。それは、自分の価値観ではなく、他人の価値観を基準にしていたからだと気づきました。

自分の価値観を優先するというのは、たとえ他人に理解されなくても、自分にとっての真実を表現するという覚悟を持つことです。私が大切にしているのは、「誰かのために」ではなく「自分が心から感じたことを表現する」という姿勢です。自分にとって本当に大事なこと、自分の内面に触れるものを形にしていくことで、作品には独自の色が生まれます。

そのために、私は自分の価値観を明確にする時間を大切にしています。日々の中で感じることや、小さな違和感、自分の信念を振り返る時間を持つことで、何が自分にとっての「真実」なのかが見えてきます。創作においても、自分の価値観に基づいてテーマや表現を選び取ることで、他人に振り回されない作品が生まれるのです。

また、自分の価値観を優先することで、創作がより楽しいものになります。他人にどう思われるかを気にすることなく、ただ自分が信じるままに表現できる自由さが、創作の中に喜びをもたらしてくれるのです。誰にも遠慮せず、自分の思いを率直に言葉にすることの心地よさを知ることで、作品がますます自分にとって特別なものになります。

もちろん、他人の意見や批評に耳を傾けることも大切ですが、それを自分の価値観より優先することはしません。批評は参考にしつつも、最終的な判断基準は自分の心の声に従います。自分の価値観に忠実であれば、たとえ誰かに理解されなくても、創作は自分にとって意味のあるものになります。

創作において、自分の価値観を優先することは、自己肯定の表れでもあります。他人の評価に依存せず、自分が書いたものに自信を持てるようになることで、創作はもっと自由で豊かなものになるのです。これからも、自分の価値観に従い、他人に左右されない表現を追求していきたいと思います。自分の心が指し示す方向を信じて、書き続けていく。それが、私の創作に対する決意です。