前のエピソード――第19話　書くことで生まれる自己発見

創作をする中で、他人の期待や評価に引きずられることがよくあります。誰かに褒められたい、認められたい、もっと多くの人に届けたい――その気持ちはとても自然なものです。しかし、他人の期待に応えようとするたびに、どこかで自分の本来の表現が歪んでしまうことがあると感じています。他人の期待から解放されることで、ようやく自由に、自分らしく書くことができるのです。

私もかつては、読者の反応を気にしすぎていました。「これを書いたらどう思われるだろう」「この表現で満足してもらえるだろうか」といった他人の期待が常に頭をよぎり、書くことが次第に重荷になってしまったのです。しかし、その中でふと気づいたのは、「自分の表現は自分のためにあるべきだ」というシンプルな真実でした。

他人の期待に応えようとすると、自分が本当に表現したいことが見えなくなってしまいます。たとえ作品が他人に評価されなかったとしても、自分が心から納得できるものであれば、それで十分なのだと思えるようになりました。自分が自分の一番の読者であり、満足できることが、創作においてもっとも大切なことなのです。

他人の期待から解放されるために実践していることのひとつは、「自分が書きたいテーマを選ぶ」ことです。自分の心に響くテーマ、自分が深く興味を持っていることを表現することで、他人の期待に左右されずに自分の世界に没頭できるようになります。自分の興味や関心に基づいた作品は、結果的に一番自分らしいものになります。

また、期待を手放すことは「結果にこだわらない」姿勢を育むことでもあります。評価や反応がどうであれ、その作品を通じて自分が何を感じ、何を学んだかに焦点を当てるようにしています。他人の評価に振り回されることなく、自分の中で完結できる創作のプロセスを楽しむことで、期待から解放されるのです。

他人の期待から解放されると、作品はより自由になり、純粋な自分の表現が表に出てきます。自分のために、自分が本当に感じたことを率直に書くことの喜びを知ることで、創作はより生き生きとしたものに変わっていきます。他人の目を気にせず、自分の心が求める表現を追い求めることで、書くことそのものが本当の意味で自分のものになるのです。

これからも、他人の期待に縛られず、自分のペースで、自分が表現したいことを自由に綴っていきたいと思います。自分が納得できるものを生み出すこと、それこそが、私にとっての創作の本質です。他人の期待から解放され、真の自由な創作を続けていくことで、私は私だけの表現を育んでいきます。