第22話:初めてのデート?①

結局あれから直ぐに家を出ることはなく、ゆっくり珈琲を飲みながら、どこに行きましょうか?と作戦会議。

 

「買い物はしたいし…、他にも色々としたいことはありますけど…」


松平先輩は思案顔をしてその後少し黙考した結果、近くにある商業施設を提案。


その商業施設にやってきて、まずドラッグストアが入ったテナントで先輩の言いなりに。

あちらの方が良かった?、いやでもこちらがいいでしょうか?、と先輩は迷っていたが、自分にはどれがいいのかサッパリ。


これでよし!と会計まで済ませてくれた先輩は、

「明日からはこれを使ってくださいね」

と、ワックスなどが入った袋を渡してきた。


「あ、ありがとうございます。お代金を…」


「これは私がしたかったこと、買いたかったものなので、優雅くんは出したらダメです!」

胸の前でバツを作る先輩。


「え、でも、使うのは僕ですし…」


「ダメです!そもそも優雅くんは買う予定はなかったでしょ?」

またしてもバツを作る先輩。


「それでは、ありがとうございます」

と感謝を伝え、

 

「代わりにお昼ご飯は僕が出します」

代案を出す。


「それだと意味がありません」


「いえ、その回答は却下です」

胸の前で腕をクロスさせてバツ返し。


「あ!真似っこ!」


「そうです、真似してみました」


「真似したらダメなんです!これは私の専売特許ですー!」

と珍しくケラケラと笑う。


「専売特許って!!

ランチには少し早いので他に何か見ましょうか?」


「そうですね…本屋に行きたいです」


「了解しました。一つ上の階ですね」

2人でエスカレーターに乗る。


本屋に着くや否や、え〜っとどこかな?スポーツ関係になるのかしら?と独り言を言いながら目的の本を探す先輩。


「あっ、ありました!」

雑誌コーナーで足を止めて、一冊の雑誌を手に取る。


(ん?RidingFun?自転車雑誌?

前にパンタに一目惚れしたって言ってたもんな。先輩が僕の好きな物に興味を持ってくれるなんて嬉しいな)


「優雅くん!」

突然真面目な顔になって、声をワントーン落として、

 

「私はいまから優雅くんに告白します!」

ふんすっ!という感じの先輩。

 

(え?ええ?こ、告白????)

焦る僕。


「実は…私もパンタくんのような自転車を買いたいです!」


「え?マウンテンバイクを買うのですか??先輩も?」


「そうです!すでにお父様とお母様の許可は得ています!私もパンタさんみたいな友達が欲しいです!その子と優雅くんとパンタさんとでどこかに行きたいです!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る