〜人群れる所、怪異あり〜平凡な日常を送りたかった俺、なんか厄介事に巻き込まれた!

ケイズん

第0怪:登場人物紹介

ここは、地球。そしてその中の日本。そしてそしてその中に佇んでいる普通の家。今日も今日とて、新しい1日が始まる…。


時間は午前6時頃、小さく鳴る目覚まし時計の音。それを止めて、一人の少年は目を覚ます。


妖火「…ん、あぁ〜!よく寝た〜!」

彼の名前は、夢爽妖火〈ユメザワようび〉。15歳、中学3年生。6兄妹弟の次男坊。黒色の髪に黒色の目をした、普通の少年。ノビノビと生きており、とても平和主義者。


妖火「…戦にぃ達、もう起きてっかな〜」

戦にぃというのは、彼の兄の愛称のことである。


妖火は、さっさと制服に着替えて一階へと降りていく。


妖火「みんなおはよ〜、」

戦「ん、おはよう、妖火、」

彼が戦〈せん〉にぃである。兄弟らしく同じ髪色と目をしている。17歳で、高校2年生。頼れる長男で、家事世話なんでもござれな完璧超人。

そのため、妖火や弟妹からもとても頼りにされている。唯一の欠点は、たまに親バカみたいに極度に心配すること。


桜良「あ、妖にぃおはよ〜!」

妖火「うん、桜良もおはよ!」

彼女は桜良〈さくら〉。13歳の中学1年生。長女で、上から四番目。おっとりさんだがしっかり者で、料理もできる。戦と同じく頼りにされている。おしゃれ好きで、こっそり桃色のインナーカラーを入れている。


妖火「なんか俺手伝えることある?」

戦「んー、じゃあ、翔大と治手起こしてきてくれるか?」

妖火「オッケー!任せて〜、」


妖火もなんだかんだ面倒見は良いので、こういった事をよく任されている。

妖火が上に上がろうとした矢先、なにやら騒がしい声が2階から聞こえてくる。


妖火「…まーたアイツラやってんのか…」


呆れながら妖火が2階に上がると、彼の予想通りの事が起こっていた。


翔大「治手が悪い!」

治手「いいや翔大が悪い!」

妖火「翔大!治手!また喧嘩してんのか!」

翔大・治手「「だってコイツが!!」」

この喧しいのは、双子の末っ子の12歳、翔大〈しょうた〉と治手〈はるた〉。翔大の方は、髪色が他の兄姉と違って茶髪、目も茶色だが、これは血縁が無いわけではなく、母側からの遺伝がかなり強かったため。ちゃんとみんなとは血の繋がった兄姉である。治手は、至って普通の小学生…ではあるのだが、とんでもない怪力がある。『やろうと思えば電柱を折れる』と医者に言われたこともある。…普通の小学生なのだろうか。

翔大と治手は喧嘩が多い。だが、仲が悪いかと言われるとそうでもなく、毎回喧嘩の後にはしっかりゴメンナサイができる子達である。


妖火「こら!コイツとか言わない!人に向かって指も指さない!」


そしてこの2人の喧嘩に手を焼くのが妖火の日常である。と、そんな所に最後の兄弟が苦笑いをしながらやってくる。


狸眼「妖にぃ、相変わらず手焼いてるね〜…」

妖火「あぁ狸眼…まぁな……」

彼は、三男の狸眼〈りがん〉。14歳で中学2年生。黒髪に、翔大と同じ理由で茶色の目をしている。また、メガネを掛けている。『制服が世界一似合う人』と周りから言われている。勉強が得意で成績優秀、スポーツ万能と、漫画に出てくるような人物。人当たりもよく、困ったことには冷静に対処する。学校中でモテモテだが、本人はあまり相手にしていない(というか気づいていない)。


狸眼「俺が変わりにやっとこうか…?」

妖火「…じゃあ頼んで良い…?洗濯物取りに行きたいから…」


妖火は既に朝からヘトヘトである。


妖火「…にしても…やっぱ気に食わねぇな狸眼が俺よりでっけぇの…(身長159cm)。」

狸眼「まぁ運動してるから…?(身長165cm)。」


そんな雑談をしていたら、一階からみんなを呼ぶ声が聞こえてくる。


桜良「おーい、ご飯できたよ〜!!」

妖火「アレ、俺達そんなに喋ってた!?」

狸眼「妖にぃが手焼きすぎたんじゃない?」

妖火「ア゙ァ゙ン゙?」

翔大「喧嘩はダメだよ!」

治手「そうだそうだ!」


その言葉をトドメに、妖火は家中に響き渡るほどの大きな声で言う。


妖火「お前らが言うなぁぁ!!!」

翔大「わー怒った怒った〜!!」

治手「逃げろ逃げろ〜!!」

狸眼「あ!コラ!翔大治手逃げんな〜!!」

桜良「うるさいなぁ〜…」

戦「賑やかだなぁ……。」


こんな日常で、妖火達はいつも平和に暮らしている。まだ、彼らがこれから、誰かのために命を燃やし、成長しなければならないのは少し先の話である…。

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