スクープと欲しがる女

天川裕司

スクープと欲しがる女

タイトル:スクープと欲しがる女


あるところにスクープされている男が居た。

彼の事情はよく雑誌に乗ったりしているが、

彼の良いところだけを見てファンになった女が居た。


彼は結構な有名人。

まぁ有名税とも言うべく、

彼女はその彼のカリスマのようなものに

やられたんだろう。


そしてこの女はかなり欲望が強く独占欲も強く、

彼の存在を知ってから、

その彼の周りをうろつくようになっていた。


女「こ、こんにちは!あの、YouTuberで活躍されてた亜麻川さんですよね!?」

男「え?あ、はい、そうですけど…」

女「うわぁ〜ここでお会いできて嬉しいです!私めっちゃファンなんです!」

男「あ、ああ、そりゃどうも♪」


女「今日も着てる服、とっても格好良いですね♪」

男「え?いや、普通の服なんだけど…w」

女「ううん格好良いですよ!私、亜麻川さんと何か共有できるものが欲しい…なんて思ってるんです」

男「え?…あ、そうなんですか」


ここでちょっと女が変なヤツに見え始める男。

それからこんなことが何度も続いた。


男が街を出歩き始めると

いつも決まってその女が走ってきて現れ、

女「亜麻川さん♪私のこと覚えてますか??今日も格好良いですね♪その服もイイなぁ。欲しくなっちゃう」


男「あのごめんなさい、ちょっと急ぐんで(苦笑)」

女「その靴も可愛いですね♪色合いがすごく良い♪」


男は少しして気づいたが、

女がその時「良い」と言ったものは

部屋の中からどんどん消えていたのだ。


そしてこんな事がもう1週間続いた時。

また現れた女に対し、

男「あのさぁ、もし良かったらウチ来ます?」

女「え!?イイんですか!?」

男「うん。なんか僕の持ってるモノ良いって言ってくれて、いつも欲しがってくれてるよね?」

男「だから君にあげても良さそうなモノ、ちょっと見繕ってみたんだ」


男「それ持ったら、共有できるモノも増えると思うし」

女はストーカー。

実は男の部屋に既に侵入しており、

その男のモノを物色していた。

男はそれに気づいた上でそう言った。


女は自分が気づかれたと知りながら

少しバツの悪そうな表情(かお)も見せたが、

なにぶん欲深で、

ちょっとイッちゃってるストーカー気質から

彼の誘いを全く怖がることなく、

その後も自分のペースで男を操り、

男と自分の2人の世界も自分の気に入ったように彩れる…

そう思ってついて行く。


(部屋)


女「お邪魔しまぁす♪うわぁすごい!これも良い!あ、このトレーナーもセーターもコートも♪あ、毎日このお布団で寝てるんですか?」


男「うん」


女「うわぁ〜みんな欲しいものばっかり♪…ねぇ、これみんな私にくれる?」

女は少し本性を現し出した。


男「…オレ持ち物よりさぁ、君自身が欲しいんだ」

女「………え?」

男「…俺がなんで有名なのか、少しわかった?」

動かない住人がまた1人増えた。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=bQsuYG87Jyc

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スクープと欲しがる女 天川裕司 @tenkawayuji

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