転生先が主人公サイドじゃなくシナリオ冒頭で死ぬ悪役の長

オーヴリオン

第1話


ワインソムリエ、レストランサービス技能士、各種コンクール受賞経験など諸々、、、


外食産業が発達し、世界でも有数の食文化を持つ我が国日本。

その外食産業の中で一心不乱に業務に当たっている人物が日本の中心都市にいた。

その人物こそ私、この物語の主人公なのだが、今世界は未曾有のウィルスに侵されていた。

新型コロナウィルスによって、日本だけではなく、世界中で生活様式が変わっていった。


我々サービスマンが従事する外食の部分でも多数の痛手が生じ、何百、何千と飲食店が店じまいをするという大打撃を与えた。


その騒動から五年、、、


「やっと売上が全盛期の三分の二ほど戻ってきましたね、これでなんとか店を継続させれそうです。これまで頑張ってくださった従業員の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!」

笑顔でそう話す我らのオーナーが寸志という形で各従業員に一言ずつ添えて封筒を手渡している。

「〇〇チーフ、従業員の皆さんを支えてここまで持ち直せたのはあなたの尽力です。本当にありがとうございます。これからもどうか宜しくお願いします。」


「とんでもないです。チームで頑張って繋いだ結果ですから。こちらこそこれからも宜しくお願いいたします。このレストランをより多くの方々に喜びを与えれる店にしていきましょう!」

私こと、チーフはこの一つ星レストランの支配人として充実した仕事をこなしていた。


のだが


「クモ膜下出血!?」

「大丈夫なんですか!?チーフは!?」

「今病院で緊急手術をしているが、生存率は40%を切るそうだ、祈るしかない。」


激励があった半年後に急な病魔により

この世をあっさりと去ってしまった。


『やり残した、やりたいことなんて沢山あるのに、なんで私はこうなんだろうなあー、死んであの世にでも言ったらその世界の神様?に文句の一つでも言ってしまおうか。

、、、ん?何故意識があるんだ?まだ生きていて眠ったままで意識だけ覚醒している?嫌だなあ、完全に元の体の動きはできないんだろうなあ』


『団長!団長!!!』


「ん?な、なんだ?ここは?」

病院にしては埃臭いし薄暗い、まるで映画に出てくる戝のアジトみたいな場所だな。


「敵襲です!貴族の奴らに此所のねぐらばれちまった!」





え?敵襲?ねぐら?




団長???

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