◯● グミゼリー、新生ゴールデンペア
◇
竜預かり所。
アメジストのシオン、
紫恩の生まれた日だ。
いつものシッターさんたちに加えて、
森の皇国神殿の巫女さんが、
やってきた。
じゃん!
試作品!
ぶどうゼリー!
木箱いっぱいに、
キラキラした瓶が並べられ、
美しい紫色のゼリーが並んでいた。
皇国神殿は、
ぶどうサイダーもヒット商品だ。
キリスは、
さっそく、
ちびの紫恩にも、
ゼリー食べさせた。
くちを、あーんぐりあけて、
小さな牙がキラリと見えた。
がぶっ。
ぷぷっ。かわいい。
スプーンを口から抜き取ると、
たまらなく、
胸がきゅうんとした。
彼女の様子を見て、
巫女さんは、
気前よくレシピを教えてくれた。
「グミでもいいんですよ。
サイダーでふやかすと、ゼリーになるんです。」
!!
なんだって?!
キリスと紫恩は、
顔を見合わせた。
◆
そうして、
真夜中を待たずして、
紫恩は、
二十四歳の姿になり、
キリスを、
森の皇国神殿へ、
光の速さで連れ去ったのだった。
◇
シッターさんたちと巫女さんが、
緑茶をすすった。
なぜそこまで彼に、
親切にするのか?尋ねると。
巫女さんは答えた。
おしかぷ。
尊い。
だそうだ。
(終わり)
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