第124話 反論
ヤベぇ。発表会、ヤベぇ。
何がヤバいかって、内容じゃないんだ。
うちの子達だよ。
黙ってりゃ良いのに、反論するんだ!
さっきのやりとりでは……。
「……このように世界の果てを発見しました」
「世界の果てなんかある訳ないでしょう。戻ってくるだけです」
「何を言う! 亀のくせに!」
「私が亀かどうかは関係ありません。事実を言っただけです」
「では、何故世界の果てに行けば戻ってくるという考えになるのだ!」
「簡単です。球体だからですよ」
「球体?! そんなバカな話があるか!」
「バカな話も何もありません。それが事実です」
「どうやってそれを証明出来る!」
「上空から見れば判りますよ」
「はっ! 高い塔の上から見ても判らぬわ!」
「いえいえ、もっと上ですよ」
「何を言っている?!」
「ご案内しましょう」
そう言って、その学者(?)を連れて天に登っていった。
死んだんじゃないよ? ロケットみたいに飛んでいったんだ。
Gで死ぬんじゃないか? あっ、防御魔法かけるのかな?
5分後、帰ってきたけど、学者(?)は呆けていた。
そりゃそうだろ。メッチャ恐怖体験だったと想像出来る。
正気に戻った時、メガに凄く感謝してた。土下座するほどに。
「私は世界の真理の一端をこの目で見ました!
確かに世界は球体でした!! おおっ!! 神よ!!」
そう言いながら泣いているのを見ると、悪いけどドン引きです。
その人に対して、今度はあちこちから声が上がる。
まぁ誰もが最初は思う内容だ。何で落ちないのかと。
その学者(?)さんは、それをこれから解き明かしていきたいと言ってた。
この人、ニュートンって名前じゃないだろうな?
リンゴ見て閃くなよ?
それ以来、発表する人は2通りになった。
反論が怖くて発表を止める人、反論が欲しくてこちらに向いて発表する人。
正に会場は騒然状態。
俺が止めさせようとすると、王様が止めるんだよね。
そりゃ議論が活発になるのは良い事かもしれないけど、俺の世界の話を持ってきたらダメだろ。
……いや待て。さっきメガはちゃんと確認した事を言ってたな。
それなら良いのか?
……ま、良いか。俺に害が無ければ。
なんて思ってたら、こっちにも飛び火した。
「ネコ殿はそう言われているが、主であるカズマ殿……だったかな?はどう思われているのかな?」
「えっと、何の話でしょう?」
全然聞いてなかった。
王様と話してた事にしておこう。
それなら文句を言われないだろう。虎の威を借る狐作戦。
「おうさ、陛下と話していたので聞こえませんでした。
すみませんが、もう一度言ってもらえますか?」
「良いでしょう。『燃える』という事について、どう思われているのですか?」
あぁ、燃焼の話か。
……覚えてねぇよ!
何だったっけ? 3大原則があるんだったっけ?
う~ん、記憶に無い。
燃料と酸素と…………着火剤? 思い出せない!
う~ん、まぁそれっぽく言っときゃいいか。
「『燃える』という現象については、3つの原則……あっ! 要素があります」
「ほう。それは?」
「燃える為の物・空気・着火する原因、です」
「つまり?」
「全てが揃わないと、火は着かないという事ですよ」
この世界ではどうかは知らない。
そこは研究してくれ。
魔法での着火については知らん。専門外です。
「主はこう言いたいのです。
その内の1つでも欠ければ火が消える、と。
物が燃え尽きれば火は消えます。空気が無くなっても火が消えます。消えた所に着火する原因が無ければ復活しません」
「ふむ、面白い。では実践してもらえますかな?」
「勿論」
止めて、シロ。勝手に受けないで。
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