第53話 成功しなかっただけ!

20分経ってもまだブツブツ言ってるだけで、結界には変化が無い。

俺の予想では失敗だと思うんだが。はたして?


「ちょっとシロ、聞いてきてくれ」

「判りました」


シロが魔法使いの元に行った。

そして何故か門扉の所まで連れて戻ってきた。


再びインターホンで話をしてみる。


「どうしたんですか? 失敗ですか?」

「うぐっ! し、失敗じゃない! 成功しなかっただけだ!」

「それは失敗と言うのでは?」

「失敗とは、出来ないと諦めた時の事だ! 諦めてないから失敗じゃない!」


なんか名言みたいな事を言ったが、かっこ良くない。

とにかく成功しなかったって事だね。


「それで、何で成功しなかったんですか?」

「……解析が出来なかった」

「解析?」

「結界には種類があるのだ。構築の方法や使う魔力の量など。

 だが、何も判らなかった……。何故だ!!」

「何故って言われても……」


神様の作った結界だからかな?

そう言っても信じてもらえないと思うけど。


「神様が作った結界なんですよ」

「ウソをつくならもっとそれらしい事を言え!!」

「いや、本当なんだけど。ちなみに魔力は1分毎に2減るけど」

「だから、ウソつけ! 構築する時に使うだけで維持には使用しない!!」


そうなんだ。初めて知ったよ。

一度結界を張ってしまえば、魔力は減らないんだね。

きっと解除は作った本人が解除するか、ダメージに耐えられなくなり壊れた時、か。


「ウソと言われても、事実なんで。

 あっ、解析は好きなだけしてください」

「あっ、ありがとうございます……じゃない!

 お前が術者だろう?! 出てこい! そして俺に教えろ!!」

「いや、出ないし。あっ、出られない事になってるし。

 そもそも教えろと言われても神様が発動させたし、任意で解除も出来ないから」

「そんな訳無いだろ!! 『出られない事になってる』ってなんだよ! 出れるって事じゃないか!」

「ははは、出れないんですよ~。そういう決まりなんで」

「そんな決まりは無い!!」

「あっ、そうだ! この国の王様と出ない事を決めました」

「ふっ! 語るに落ちたな! 俺が陛下と話が出来ないからと適当に言ったな!

 俺は有名だから陛下に謁見も可能なのだ!」

「じゃあ確認してくれば良いじゃないですか」

「えっ? そう言うの? ヤベぇ、マジなのか?

 ……いや、違う違う! お前はウソを言ってるはずだ!」

「だから確認してきなよ」

「ぐぐぐぐぐ、じゃあ確認してきてやるよ! 見てろよ!

 もしウソだったら不敬罪になるからな! その時になってから謝っても遅いんだからな!」

「は~い。了解で~す」

「くそ~~~~! 覚えてろよ~~~~!!」


魔法使いは走り去っていった。

個人的に言わせてもらえれば、飛んで行って欲しかった。

飛行する魔法があるかは知らないけど。


それにしても謁見出来る程の権威があるんだな。

ただの中二病の人じゃなかったのか。

ま、最後にはキャラ崩壊してたけど。

キャラ作りよりも魔法の方が大事なんだね。


ところで、いなくなってから思ったんだけど。

魔法使いってどうやって生活しているんだろう?

お金をどうやって稼いでいるの?

作った魔法を売る?

あっ、魔法道具ってのがあるから、それの製作とか?

どうでも良い事だけど、ちょっと気になった。


ふと思ったけど、師匠が居るって言ってたな。

弟子から授業料を取ってるとか?

魔法学校みたいな。劣等生とか居るのかな?

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