その時、トリスは動いた

羽弦トリス

第1話高校卒業後

1998年3月、高校を卒業した。

4月からは、大学生。

僕は、鹿児島県人。周りの誰もが、鹿児島のK大学に進学すると、思っていた。本人もそのつもりだった。

当時、高校2年から付き合っていた彼女は、鹿児島の看護学校に進学する事がきまっていた。

同棲する予定だった。

しかし、僕は迷った。

このまま、鹿児島以外の県民で暮らし、鹿児島以外の文化を知らないで、人生を送って良いのか?


K大学は鹿児島のだいたいの高校生が目指す大学。

当時偏差値的は57くらいか?

今は低いか、高いか分からない。


僕は考えた。彼女に4年間だけ我慢してもらおうと。

僕みたいなトリビア大好き人間が鹿児島だけで世間の話しをするのはバカバカしい。

で、東京のとある大学を受験して合格した。


卒業間際まで、彼女に東京の大学進学は秘密にしていた。


合格通知が来て、はや1ヶ月。

僕は彼女に全てを話した。

彼女は泣いた。「裏切り者」と、言って。

でも、当時はスカイメートもあるので簡単に安く飛行機で、鹿児島と行き来出来た。

だから、心配するなと。


そして、等々、その時がやってくる。


1998年、3月27日、朝10時。

スーツを着た、1青年が鹿児島空港にたどり着く。

青年は、中学生からの同級生、しゅんと、記念撮影、家族との記念撮影をして、ラウンジでビールを飲む。


高校を卒業すれば、飲酒などザル法だ。

だって、歓迎コンパとかあるし。


彼女とは前夜のベッドで激しく絡まり、中出して、子供が出来たら結婚と言う形を作り、

彼女とサヨナラして、鹿児島を離陸した。

結果、彼女は妊娠しなかったが。


3月29日、キャンパスを歩いてみた。

桜が満開で、暑かった。


4月1日、入学式。

数千人の入学生かいた。

大学は、1万人近い学生がいる。

帰り、電車内で外を見ると暗くて見えなかったが、雪が積もっていた。

忘れもしない。4月に雪が積もったことを。


こうして、羽弦トリスの原点が見えてきた。

あの時、東京の大学を知らなかったら、今の自分が居ないだろう。


これから、僕のターニングポイントは、沢山ある。

それを一つずつ、書いていきたい。

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