ひどい世界を終わらせて!
好塚 つぞ
第1話 あなたは私の玩具
「ついに.....だね....♡」高校から知り合った2人の高校生カップル。2人はついに、恋愛のaとbを飛ばしてc、初夜を迎えようとしていた。「........。」緊張と興味で固まる彼氏のサオル、小さな頃からエロに興味津々だった男が、ついに春を迎えたのである。
「ちょっと待ってね....♡」はだけた制服で避妊具をサオルのサオに装着する彼女のリロエ。サオルはリロエの頭とぶつからないように首を上に向け、感動のあまり涙を流した。
しかし次の瞬間.....!
『お〜〜〜〜〜〜い』上を向いたまま、身長が8mもある髭面の神々しいおじさんと目が合った!!!!!!
「はぁ!?」意味不明な状況に驚愕するサオル、リロエの方を見ようと目線を下げるとそこにリロエはおらず、なんなら自身のサオも何故か無くなっていた!!!
(付いていないのでモザイクは必要ないだろう)
「ここよ!」と8mあるジジイの左肩に乗っているリロエ。その右手には浮遊しているサオルのサオがあった。
「あーーー!!!!俺の息子!返せーー!!!」と泣いて懇願するサオル。
『お前か〜?ワシの娘と寝ようとしたのは』と顔を一切変えず、テレパシーで伝えてくるジジイ。
「お父さん!?この度はご無礼を致しました!」全裸土下座をキメるサオル。その姿は芸術と言って差し支えない、見事な土下座であった。
『言っとくけどワシ神様だからね?神の娘に手を出すとかかなり冒涜だよね?これは罰を与えるしかないよね????』
「な、何を....!?」と土下座の体制のまま顔を上げたが、あまりに高すぎて見えなかったので普通に上半身を上げたサオルが問う。
『リロエ!』「は〜〜い♡」とサオに向けて何かの呪文を唱えるリロエ。距離的にサオルには呪文は聞き取れなかったが、何か大変な様子なのは遠目でも理解った。
呪文を唱え終えたリロエは、サオにくちづけをし、「おかえし♡」と言い、足を高く上げて150km/hはあるであろう球速で、サオをサオルの方向に向かって投球した!
「バシッッッッ!!!」顔面にクリーンヒットしたサオはそのまま反動で宙を舞い、寸分違わず元のポジに戻り、くっついた!
目を覚ましたサオルに向かって、神はこう伝える。『今、オヌシにかけた呪いは、「貞操帯の呪い」だ!!オヌシはこれから、異性の肉体に包まれた状態で果てたら即死してしまう体として生きるのだ!!!」
「な、なんだってぇ!?」驚愕した顔は、次第にこの世の終わりの様な表情に変わっていった。まるで大切な恩人を失った時のように、唇を噛みながら大粒の涙を浮かべる。
「そんな........。」
『しかし、唯一オヌシを救う方法がある。それは.....異世界に行き、魔王を討伐することだ!!!!』
「ピタッ」その言葉を聞いたサオルは一転、救いの神が現れたかのような希望に満ち溢れた表情になった。
「ほ、本当か!!!嘘じゃないだろうな!!!」『もちろん、本当だ。なんなら、サービスで転生の特典も付けてやろう。』
「そ、そうだな.....。何がいいかな.....。」
いい案が思いつかずサオルが長考していると....
「じゅ〜う♡、きゅ〜う♡、は〜ち♡」
待ちかねたリロエが急かすようにカウントダウンを始めた!「んな!?」急いで特典を考えるサオル。
「あぁ...!やっぱ最強のチートステータスだ!!」高らかに宣言した。しかし、『ステータスはいじれないから、スキルかアイテムにして?』と神は却下してきた。「それ先に言えよ!!!」当然キレるサオル。
「ご〜お♡、よ〜ん♡」再びカウントダウンを開始するリロエ。まるで鬼、いや悪魔だ。
「な、なら!やっぱり透明化だ!!男の夢!!!」言い終わった所で、サオルはふと思いだす。(俺、エロいことしたら死ぬんだった....。ミスったあああああぁぁぁぁぁ.....。)
『おけまる。』すると神様の前に指輪が生成され、サオルの前にふんわりと落ちてきた。
『付けている間、透明になれる。MPの消費もないぞ。じゃ。』
サオルの足元に異世界へ通じる穴が出現する。「へっ?」『行ってらっしゃ〜〜い。』神は何故かアトラクションのお兄さん風にサオルに言葉を送った。
「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
風邪で顔がえらい事になりながら落下するサオル!!!
「死ぬ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
あわや地面に大激突!!かに思われたが....
「ピタッッッ!!!」地面より1mほどの地点でサオルは空中に止まった。「助かっ」「ビタッ!」地面に叩きつけられたサオル。
「いってぇ.....。」鼻血を止めるために鼻を押さえてながら周りを見ると、そこは森の中であった。不思議な動物や小型のモンスターなども見られる。「ほんとに異世界だ...(鼻声)。」
しばらく歩いていると、突如、人に話しかけられた。「君!大丈夫!?」その方向を見ると、金髪ツインテールの美少女が話しかけてきた。よく見ると、犬耳、ビキニアーマーとファンタジーな格好をしている。
「は、はい...。」健全な男子高校生のサオルにとって、ビキニアーマーは刺激が強すぎる。「はい!薬草!」とその女の子はサオルの考えを他所に、顔に薬草を塗り始める。「見、見え....見えるか.....?」ついつい胸に視線が行ってしまうサオル。
「はい!塗り終わったよ!!それじゃ!!」と言い終わるなり、足早に去っていく少女。「いい景色だった....。」すでに満足気なサオル。しかしここであることに気付く。先ほどから右手に握っていた。透明化の指輪がないのである。
「ま、まさか...。」少女の方を見ると、指輪をガラス瓶にしまって、走って逃げていた!「あ、あいつ!!待て!!!」少女が逃げた方向に向かって走るサオル。
5分ほど走ったサオルは、とある村に着いていた。「はぁ、はぁ、多分この村の何処かにいるだろ...少し、休憩を....。」村に流れる川の近くに座って休憩するサオル。
「な〜にしてんの♡」耳元に聞き慣れた声が聞こえた。「ま、まさか.....。」「や♡来ちゃった♡」リロエが居た。
「なんで居るんだ!」「あなたの観察♡あなたにしか私は見えてないわ♡」リロエはクルクルと地面をすり抜けながら話す。
サオルの地獄は、こうして始まった。
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