お隣に引っ越してきた竜也くん

@noritaka1103

第1話 男の子が引っ越してきた

私の名前は小川美南おがわみなみ。大学生。今日もいつもと変わらず、軽く挨拶を交わす程度で、講義が終わると直ぐに大学を出る。

大学近くは同じ大学の関係者で溢れかえっているので隣の駅まで歩いてから電車に乗って家に帰る。

その生活を大学の行き来で続けているおかげか、体力だけは自信があるし、健康体を維持することが出来ている。


そんなある日の午前中、インターフォンが鳴りモニターを見ると親子連れが立っていた。

「お、おはようございます…すみませんが、どちら様でしょう…か…?」

「お忙しいところ突然すみません!隣に越してきました『十亀とがめ』と言います。その引っ越しのご挨拶に参りまして…」

この親子連れはどうやら隣に引っ越してきた家族らしい。確かに昨日は引っ越しのトラックが来ていた気がする。

「お姉さん。ぼくの名前は「十亀竜也とがめたつや」。これからよろしくね!九州から車で来て…以下略」

母親の隣に居た男の子(竜也くん)が口を開いて、自己紹介を始める。(自己紹介クッソ長い…)


引っ越しの挨拶を終えて、十亀一家は隣の家に一旦帰ったが、その夜に例の男の子こと竜也くんが再度、訪問。

「お姉さん、朝の話の続きを言いにまた来た!」

いや、あれだけ話してまだあるんかい!

「つ、続き?」

「そう!道中あったことを言うの忘れていたから、もう一回来たの!時間ある?」

まあ、ちょうど息抜きしたかったし話を聞いてあげるか。断るのなんだか申し訳ないし。

「大丈夫だよ。お姉さんでいいなら聞いてあげる!続き聞かせて?」


相変わらず、続きの話も長くて30分くらい九州からの道中の話を聞いた。途中で本場のグルメを食べたとか観光名所に寄ったとか有名な人に偶然会って握手をしてもらったとかそういった話だった。

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