第2話

広い向日葵畑の中で撮影は行われた。

望奈の弾けるような笑顔は、決して大輪の向日葵にも負けてはいない。

スキット茶のペットボトルを片手に白いワンピース姿の望奈が走りながら振り返っている。

カメラが、望奈のハツラツとした姿を捉えて離さない。

「いいよ!望奈ちゃん、凄くいい!」

プロデューサーも大満足の様子だ。

直樹は離れた場所からその様子を見ていた。


「お疲れ様でした」

そう言って直樹がペットボトルのお茶を差し出した時、望奈は思わず笑った。

スキット茶だった。

よく冷えている。

真夏なのに、直樹はキチンと薄グレーのスーツを着ている。

「有難う。須賀ちゃんは飲んだの?」

望奈はスキット茶を口にしながら言った。

「僕は先程飲みました」

「それならいいけど」

撮影を終えて、望奈は控室で白のロゴ入りTシャツとGパンに着替えた。

この後はテレビ局でインタビューを受ける事になっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る