第16話

翌日、暖は早速普通科の教室を覗いた。

いた。2人の友人と楽しそうに話をしている。

「きゃっ、暖君。誰かに用事?」

あっという間に暖は5.6人の女の子に取り囲まれてしまった。

「鹿屋に…… 」

とっさに暖は普通科の友人の名前を言った。

「鹿屋君、暖君が用事だって!」

「あー何だよ。暖」

鹿屋が暖の前まで歩いて来た。

だが女子達がベタベタとくっついている。

「また古文のノート貸して」

とっさに見繕う。

その日、暖は3時間目までで仕事に行かないといけなかったのでそっと双葉の靴箱に手紙を入れた。


前田双葉様


バイトしている君を見ているうちに、好きになってしまいました。

ロクにデートも出来ないかもしれませんが、俺で良かったら付き合って下さい。


098-765-4321


吹石暖

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る