光と出会った一人の少女の物語
@Hanana_mirai
第1話「光と出会う少女」
そう、その日は雨が降っていた。いつもと変わりない仕事帰りの夜、大翔は同僚の後輩と傘を並べて歩いていた。そこは居酒屋が並ぶ少し賑わう街だ。
そんな、道端に並んでいる自転車の影に、雨の中傘もささずパーカーのフードを深く被って座り込んでいる人がいる。びしょ濡れだ。
大翔はかけ寄り傘をさし、声を掛けた。
大翔「大丈夫?」
そう聞いて近寄ると、その人はゆっくり顔を上げた。女の子だった。その子はなんというか、全てを諦めているかのように、目に光がない。高校生くらいか? 家出だろうか。
なぜか僕は、この子から目が離せなかった。
何も言わずに顔をそらす女の子に、大翔はそのまま声を掛けた。
大翔「警察だけど,家はどこかな?」
女の子「、、、」
大翔「何歳?」
女の子「、、、」
何も答えない女の子を前に、どうしようか考えている時だった。
女の子「、、いいよなんでも。もうどうでもいいから」
言葉が出なかった。あまりにも生きる気力を失っている彼女の姿を見たからだ。
なぜか僕はこの子のことを放っておけなかった。
後輩「この子、どうしますか?」
大翔「俺が一旦預かる」
後輩「え?!」
大翔「(真っ直ぐ女の子を見つめる)」
大翔「君、名前は?」
女の子「、、、ほのか」
彼女は『ほのか』という名前の女の子だった。
大翔「じゃあ行こうほのか」
「ほら、乗って!」そう言って背中を差し出した大翔を見て、「自分で歩ける」とだけ言ってほのかは立ち上がった。
“これが、二人の人生を大きく変えていった”
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