第38話 皆ヘタレってのはおもろないよな?
【今回も雪乃視点】
今日は凪ちゃん家にパジャマ会
モコモコした寝間着を着て
クーラーの効いた部屋でひたすらおしゃべりをする
凪ちゃんも流ちゃんもなんて事ない会話をしながら
雪乃の髪型をいじってるけど
今日、雪乃は意を決した
「てってれー」
「凄い髪型。お団子でしょうか?」
「どう雪乃?」
「凪ちゃん達はどう思う?」
「どちゃんこかわいい」
「目に入れても痛くない可愛さです」
「なら好き」
でも…どう切り出せばいいんだろ(結局決してない)
2人は好きな人いる?って聞いて「いる」って言われた時
雪乃、ちょっとショックかもしれない
2人が男と仲良くしてる姿想像出来ないし…
「てってれー」
「これは三つ編みでしょうか?」
「どう雪乃?」
「2人はどう思う?」
「どげつかわいい」
「これはもう宝物レベルですね」
「なら好き」
仮に…仮に流ちゃんは好きな人いても
ネガティブだから行動出来なさそう…
凪ちゃんはどうだろうなぁ……
すっごくラブラブしそう……
「なんかあったん?」
「……え?何が?」
「なんか今日ずっと上の空やで?」
「私も思ってました、何か悩み事なら聞きますよ?」
「あ、ごめん、悩みとかじゃなくてね…えと…2人って好きな人とかいるの?」
恐る恐る2人に聞いてみたら
流ちゃんは目を丸くして固まり
凪ちゃんはケラケラ笑い始める
「なんやそないなことか」
「わ、笑わないでよぉ」
「きゅ、急にどうされたのですか?」
ここで雪乃は昨日のお姉ちゃんとの話をした
「愛華先輩まだその領域に来たばかりなんやな……」
「まあそれが普通なんでしょうけどね」
「2人は……どう?」
「私は……………………特に」
「まあ、そうだよね」
「あたいは好きな人おるで」
呆気からんと言ってくる2人とも振り向く
な、凪ちゃんいるの……!?
確かに凪ちゃん男女分け隔てなく構ってる節あるし
いてもおかしくないよね
「なんなら誰かいおーか?」
「雪乃達が知ってるの?」
「そりゃあもう毎日のように会ってますがな」
毎日のように……?
と雪乃は流ちゃんを見ると
先に流ちゃんは雪乃の方を見ていた
やっぱり、この2人のどちらかになる……?
と思ってると凪ちゃんは爆笑した
「いやいやいや、鈍感すぎるやろ!あんたのことやで、雪乃」
「……えぇ!!?雪乃なの!!!!!?」
「やはり気づいていなかったんですね」
「流ちゃんも知ってたの!?」
「むしろ気づかない方が難しいと言いますか……」
ほ、本当に!?雪乃なの!!?
そういえば、凪ちゃんのスキンシップって雪乃にしかしなかった気も……
あれってそういうアプローチ!!?
「ビックリしすぎやろ。血筋やなぁほんまに」
「ビックリするよ、凪ちゃん男女分け隔てなくつるんでたから、てっきり……」
「それとこれとは別なんやで」
「…………あの、雪乃さん」
「え?な、なあに?」
「……………………………………いえ、なんでもありません」
「??そお?」
「にゃはは、ここで告るなんて思わんかったなあ?」
「もうちょっと雰囲気ある所でするべきですよ」
凪ちゃん、本気なのかな
雪乃の事が好きって
ど、どうしよう
突然のことにアタフタしてしまう
「そうやなぁ、流とも雪乃ともまだまだ仲良くしてたいし。別に答えは急がんよ」
「わ、私のことはお構いなく」
「ふーん、本当にそうなのかは気になるけどな」
「……はい」
急がなくていい、か
うん、しっかり考えよう
考えた上で答えを出そう
「凪ちゃんありがとう、考えるね」
「よしゃ。この話は終わり。てことで雪乃とくっついて寝るかぁ」
凪ちゃんはギュ!と強めに抱きついてきて
そのまま寝てしまった
これはこれで幸せだな…と雪乃は思った
「……私は……どうすれば良かったのでしょうか」
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