第37話 お姉ちゃんが……!!!?

【雪乃視点】


「雪乃って好きな人とかいるの?」


お姉ちゃんが山登りから帰ってきて

夜ご飯の時の開口一番がこれだった

雪乃は持ってたフォークを思わず落とした


「きゅ、急にどうしたのお姉ちゃん?」


「あ、いや、えっとね。女の子が好きな女の子に会って、こういうのもあるんだなぁって」


「百合ってこと?雪乃もお姉ちゃん大好きっていつも言ってるじゃん」


「それとはちょっと違う気もするけど……」


違う気がする、じゃなくて

雪乃は本当にお姉ちゃんが大好きなのに


「というか少し前色んな女の子に告白されてたじゃん」


「あ〜……あれってそういうことだったのかな…」


あれ全く理解してなくて断ってたんだ

…でも最近友達が出来てからは

お姉ちゃんと一緒にいることも少なくなっちゃったな

昔だったらお姉ちゃんが他の人達を

そういう目で見ようとすることを邪魔してただろうけど

今は、どっちかというとお姉ちゃんが誰に恋するのか気になる


「雪乃はまだあんまり分かんないけど、お姉ちゃんはいないの?」


「たまにドキドキする事はあるけど、それを恋って言えるのかどうか」


逆にしたことあるんだ

まあ紅葉先輩とかスキンシップ多そうだしなぁ

お姉ちゃん鈍感だからドキドキすることすらないと思ってた

雪乃もよくわかってる訳じゃないからなぁ…そうだ


「先生呼んでみる?」


「来るかな」


「冷蔵庫好きにしていいって言えばすぐ来てくれるって」


二先生に『お話したいので来てくれませんか?冷蔵庫はお好きに使って大丈夫です』

ってLINEをしたらすぐ来てくれた

流石常に金欠の人


「おーす、美味いもん作ってるか〜?」


「もう食べちゃってますよ」


「うわ、呼んだなら私の分も作っとけよな〜」


先生は冷蔵庫からイカの塩焼きとビールを取り出して椅子に座る

お母さんの物だったけど、仕事で全然いないし大丈夫だろう


「んで?なんよ話って」


「お姉ちゃんが恋について知りたいって」


「ぶっ!愛華がぁぁ〜〜〜〜?」


「ちょっ、なんですかその疑いの目」


「マジか〜遂にお前も考えるようになったか〜」


先生はここに来る前に酒を飲んだのか

酔ってるような仕草でお姉ちゃんの肩を組んで

絡み酒みたいな状態になる

お姉ちゃんも嫌がることなく満更でもなさそう


「先生はいるんですか?」


「いないいない!なんなら私が恋人になってやろーかー?ん〜?」


「先生と生徒はダメでしょ」


「うわ、そうやって私の恋心を貶すんだ〜うわぁ〜」


「さっき居ないって言いませんでした……?」


見てて分かるけど、やっぱり先生、お姉ちゃんのこと……

言う訳にもいかないし、なんだか見ててイライラする

お姉ちゃんは鈍感だし、皆全然お姉ちゃんに攻めないんだよなぁ


どうやったらお姉ちゃん気づくんだろ

正直、今だったら誰かが先に告白すれば付き合うって言いそうなんだよな

せっかくチャンスなのに、先生酔ってて気づいてないな…


…………そうだ!


「雪乃、明日凪ちゃん家行くから、聞いてこよーか?」


「え、うん。そうだね、先生役に立たないし」


「うわ、ひで〜」


「先生はもういいので、今日はここで寝てください」


「あーい」


2人が寝室に行ったの見て

グループLINEを見る

…2人は雪乃のことどう思ってるんだろーな

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