第21話 お泊まり会!!!

ゴールデンウィーク、ついにお泊まり会の日だ

準備して忍先輩家についた

「いらっしゃーい」と上品な格好をした忍先輩が出迎えてくれる

思った以上の広さの家だ、豪邸と言ってもいい

中には既に準備を手伝っている麗奈先輩がいた

九十九さん達はまだなのかな……?と思ってると

「ひゃあ!」という声と共に

ボフッと枕が私の顔面に当たる


「すまない神楽さん!」


「…そりゃあそんだけ持ってたら転びますよ、先輩」


「面目ない……」


麗奈先輩のもってたベットと枕を半分持って

寝室に行くと二先生が寝転がっていた

あれ、先生も来てたのか


「おー愛華ぁ〜おっす〜」


「おっすーじゃなくて、そこ邪魔ですよ」


「あ〜……起こして〜」


私は小さい溜息をついて先生をおんぶする

麗奈先輩が「ちょっ!?」という声を出して何か言いたげだ


「麗奈ぁ〜分かるかぁ?こーでもしないと引っ付けねぇぞ〜」


「い。いや、だらしないです!生徒に示しがつかないのでやめてください!」


「いやいや、今日先生として来てねぇし」


「あの、先生、重いのでそろそろ降りてください」


「あ〜?いいだろ別にぃ」


私は諦めておんぶしたまま寝室の準備を始めた


「というか、寝室準備するの早すぎませんか?」


「早乙女さんが枕投げしたいって言っててな」


「それでも早いですよ…」


そんな会話をしつつも

ずっと麗奈先輩は私の方をチラチラ見てくる

そんなにおんぶがダメなのかな……

なんか先生を運ぶの日常茶飯事過ぎて感覚麻痺してるかもしれない


「乗りたそうにしてるし、そろそろ降りるかぁ〜」


先生はわざとらしく大声でそう言って

降りると麗奈先輩を引っ張る


「ほれ」


「いや、ほれって、なにを?」


「おーーーまえ察しが悪いなぁ〜麗奈、言ってやれ」


「え、 あ、その、わ、私も…おんぶしてみてほしいというか……すまない忘れてくれ!!!」


麗奈先輩は赤面しながら逃げるように寝室に出る

おんぶが羨ましかったのか……

麗奈先輩も子供らしいところあるんだなぁと思ってると

「やっぱダメかぁ」と先生が苦言を零す


「ったく〜お前の鈍感もいよいよ病気だな」


「そうですか……?」


「ま、それがお前のいいとこなのかもな」


たはは、と笑う先生を見て

少し、球技大会のことを思い出した

そういえば、この人にお礼言わないといけないんだった

……かなり癪だけど仕方ない


「そういえば……その、先生、この前は、その……背中を押してくれてありがとうございました」


私が照れくさくお礼を言うと

先生は目をぱちくりした後

ぶわっはっは!と豪快に笑った


「お前、ほんとに女ったらしだな!!!」


「せっかくお礼言ったのに……もういいです」


「おいおい〜それはないだろ〜ん〜?もっかい言えよ〜」


「しつこい!」



<おまけ 寝落ちもちもち>


【凪視点】

最近の夜の日課が存在する

愛しの雪乃と寝落ち通話や


『もしもし?』


「もちもち〜わぁ〜雪乃の声やぁ〜」


『なんかもう眠そうだね』


「ん〜あたいは毎日雪乃の声聞かんと寝れんよ」


『眠いならもう切ろうか?』


「雪乃のおやすみ愛してるわって言ってくれたら寝るわぁ」


『い、言わないよそんなこと、恥ずかしい』


それから数分、何気ない会話が続くけど

あたいのねむねむセンサーがはちきれそうになる

あかん、これマジで寝落ちするわ


「むにゃむにゃ……まだ全然会話出来てへんのに寝る訳にはいかんのやぁ……」


『んもう、また明日も会えるんだから、今日は寝て』


「んん〜…zzz」


『あ、本当に寝落ちした。おやすみ凪ちゃん。大好きだよ…なんちゃって……』


「本当に言ってくれると思わんかったわ」


『起きてたの…?は、恥ずかしい……もう切る』


「おやすみぃ〜」


……あかん、寝れなくなったわ

…………明日は謝るとこからやなぁ

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