魔法学院の七不思議
チョコレ
序章 手帳に導かれし者
(1)冒険への誘い
「おめでとう!この手帳を手にした君こそ、七不思議の謎を解くに相応しい!」
図書館の静けさを破ったその一文に、私は心を奪われた。それはただの文字ではなく、生きた意志が時間を超えて私に語りかけているようだった。その言葉に込められた力強さが胸に響き、私は思わず手帳を握りしめた。
古びた革の表紙に触れると、わずかにざらついた感触が指先に伝わる。幾人もの持ち主の手を経た証のようだった。ページをめくれば、黄ばんだ紙に刻まれた文字が静かに語りかけてくる。
「私は、この時代の七不思議をすべて踏破した者として、次なる時代の挑戦者にこの手記を託す。この手帳は、君が七不思議に挑む覚悟を持つならば、最後の一つまで導くだろう。」
言葉に込められた意志が、私の胸に深く刻まれた。まるで、挑戦を終えた誰かがその魂ごとこの手帳に宿り、次の挑戦者を見守っているかのようだ。私は選ばれたのだ。この手帳に触れる瞬間、それを確信した。
図書館の静寂はさらに深まり、私と手帳だけが存在しているような錯覚に陥る。周囲の空間は薄れ、手帳が語る未知の世界が目の前に広がっていく。期待と不安が胸を満たし、全身にじわりと熱が広がる。
深呼吸をひとつ。淡々とした日常とは違う何かが、胸の奥で静かに目覚め始めていた。この手帳と共に挑む七不思議。それは未知なる冒険であり、私に課された新たな使命だった。
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