ラピシャスの庭園

@sakuramboooooom

第1話 出会い

「よし、!」

 家事も済ませたし、趣味の筋トレでもやろうかな。

 と、思いダンベルを持ち上げたその時だった――……。

「ん?」

 魔法陣が突如出てきた。見間違いだと思い、目を擦ったが、身間違いなんてものではなかった。

 そして、魔法陣が白い光を放ち始めた。

 そして、私を包み込み初めた。

 こんな平凡な休日さえも邪魔される。

 なぜだろう。私はごく普通のOLだった。

 今日だってようやっともらった休日だった。

 見回りの目を避けて、同期と仕事をし、上司に叱られて過ごしていたのに。

 こんな、こんな平凡な日も、よくわからない謎の魔法陣に邪魔された。

 じわり、と涙が滲んできた。

 が、しかし不意に視界が晴れてきた。

「大丈夫ですか?」

 そして聞こえてくるのは優しげな青年の声。

 目線を上げると私と同じくらいの青年が居た。にこやかな微笑みを浮かべて青年は立っていた。

 彼は、私に手を差し伸べていた。

 私は彼の手を借りて、よいしょ、と立ち上がった。

「はじめまして。私はイチ。お嬢さんといる世界とは違う世界に住む住人です。突然ですが、貴方に頼みたいことがあるんです!」

 私は目を剥いた。あゝ、これから私はどうなるのだろうか。

 

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