ギルマスに認められる



サラマンダーを討伐した亮、カイ、リナの三人が町へ戻ると、ギルドの中は彼らの帰還を待っていた人々で賑わっていた。人々の歓声が沸き起こり、ギルドの受付嬢が涙ぐみながら彼らを出迎えた。


「本当にありがとうございます!この町を救ってくれて…」と、彼女は感謝の言葉を述べ、周囲の冒険者たちも拍手と歓声で彼らを称えた。


カイは誇らしげに胸を張り、「俺たちにとっても貴重な経験になったぜ」と答えた。リナも微笑みながら「みんなで力を合わせたからこそ、うまくいったのよ」と続けた。


亮は少し照れくさそうに頭をかきつつも、仲間たちと共に得た達成感に満たされていた。「みんなのおかげで、俺もこの世界で少しずつ役に立てるようになってきたかもな」と自信を深めた表情で言った。


その後、ギルドのマスターが三人の元に現れた。年配の男で、筋骨隆々な体つきに古傷が刻まれており、冒険者としての長い歴史を感じさせる。彼は三人を見据えながら、重々しい口調で話し始めた。


「お前たち、実力を認めよう。この町の危機を救ったことに、ギルドとしても感謝している」


そう言って彼は、次なるミッションの依頼を三人に差し出した。依頼の内容は、町の東にある古代の遺跡を探索し、その中に潜む魔物やトラップを取り除くというものだった。


「最近、あの遺跡で不審な動きがあると報告があってな。しかも、どうやらただの魔物ではないらしい。異次元からの力を感じる…まるでお前たちのような異世界の力を持つ者が関わっている可能性が高い」


亮はその話に興味を引かれた。「異世界の力…?俺たち以外にも、異世界から来た者がいるのかもしれないってことか?」


リナも真剣な表情でマスターの話に耳を傾けた。「もしそうなら、遺跡に入るのは簡単ではないかも…」


カイもまた戦いの興奮が戻るのを感じ、「それなら俺たちが行って確かめよう」と力強く宣言した。


ギルドマスターはその決意を見届け、深くうなずいた。「よし、ならばこの依頼を任せる。報酬も十分に用意してある。気をつけて行ってきてくれ」


翌朝、亮たちは新たな冒険へと旅立つ準備を整え、町の人々からの激励を背に、遺跡へと向かった。三人の胸には、新たな未知の力と対峙する興奮と不安が交錯していた。


道中、亮はふと立ち止まり、仲間たちを見つめた。「みんな、もし遺跡で異世界の力を持つ者に会ったら、俺たちと同じような事情を抱えているかもしれない。でも、どんな相手であれ、俺たちはやれることをやるだけだ」


リナは静かにうなずき、「そうね、私たちは今この世界で生きている。だからこそ、自分たちの力で困難を乗り越えましょう」と優しく微笑んだ。


カイも手を握りしめて、「ああ、仲間がいる限り、どんな相手だろうと俺たちは負けない」と強い決意を示した。


三人の絆はさらに深まり、新たな冒険に向けて心を一つにしていた。彼らの向かう遺跡の奥深くには、さらなる試練と異世界の謎が待ち受けている。それは、彼らの運命を大きく変えるものになるのかもしれない——。

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