柊紫雲の親戚、柊真子ちゃん

沼津平成

第1話

「今度、部屋に親戚が来るんだ」

 学校で、突然、紫雲が告白した。学食の素うどんを飲み込みすぎて、健はむせる。「親戚ぃ?」

 紫雲(と、弟・睦。)に親戚がいるとは知っていたが、来るとはねぇ……。

「その日、睦は?」

「来るよ。ていうか、来ないの少しおかしくないか?」

「あ、確かに」

「え、きていい?」

「もちろん! っていうか恥ずかしいけどその前提で話してた」

「あっ」

 健は苦笑した。このきもちなんだ? あ、小学校の秘密基地。

 それが、沼津にできたみたいな気分だった。

『はい、こんにちは。紫雲の親戚の真子まなこ二十七です』

「あー、真子さん。職業は?」睦が聞いた。

「もう、失礼な……」健が呟く。

「いや、意外とこういうのでもいけるぞ」紫雲が囁いた。

『え……自営業です』

「あー、そうなんですね」

『ええ』真子は苦笑した。

「へぇー」健は、この人結構慣れてるんだな、このアパート……と少し違うことを考えていた。

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