薬殺公爵⑦
どうやら兵器開発部門で道具や機械の使い方を習っていたらそこそこ時間が経っていたらしい
メディ「マンダ君!そろそろディナーの時間だけど、まだ発明しとくかい?」
マンダ「そんなに時間が経ってたのか!ごめんメディちゃん!ほったらかしにしといて」
メディ「構わないさ!マンダ君の真剣な表情をたくさん見れたからね!」
そんなに顔を凝視されてたなんて気が付かなかった…
マンダ「そ…そうか…そういえばお腹が空いてるな、夢中で空腹にも気が付かなかった」
この後は片付けをして風呂に入って体に付いた油と汗を落としてディナーを食べて満腹でベッドにダイブだな!
メディ「今日のディナーは宅配サービスのご飯でも頼んで僕のお家で食べようか!このラグド市には電話を一般の家庭全部に普及していてね、宅配サービスが電話交換手と同じくらい人気になったんだよ!」
マンダ「俺はついこの間初めて電話ってのを見たのにここじゃ一般的なのか…」
メディ「人の移動も情報も速ければ速いほど良いのさ!そう言うことで早くディナーを頼んじゃお~!」
右手を突き上げてるメディちゃんがかわいくて胸がいっぱいです…腹は減ってるけど…
そんなこんなでもうベッドの上でゴロゴロしている、布団も一流品なのかフカフカで気持ちがいいな…今日はすぐに寝ないでメディちゃんと他愛もない会話をしながら寝るとしようかな…
メディ「マンダ君…実は決心したことがあってさ…聞いてくれるかい…」
なんか言いづらそうにしてるな…真剣に聞いてあげなくちゃ…
マンダ「なんだ?メディちゃん?」
メディ「あのね…僕もマンダ君の旅に連れて行って欲しいんだよ!」
マンダ「へ?公爵殺しの旅に付いてきたいのか?ラグド市の事はどうするんだ?」
メディ「大丈夫!少し前から全部の公務は後任者に引き継ぎしたから僕がラグド市から居なくなっても問題無いように調節してきたんだよ…他にも旅に出ても問題が起きないように色々頑張ったんだよ」
マンダ「どうしてそこまでして俺の旅に付いてきたいんだ?」
メディ「あのね…この500年で公爵を殺せたのはマンダ君が初めてでやっとこの世界が変わるって時なのに僕はなにも出来なくてジッとしてられないんだよ!」
マンダ「なにも出来ないって…メディちゃんは色々文明発展で頑張ってきたじゃないか、それにこの旅は死んじゃうかも知れない旅なんだぞ…」
メディ「あのねマンダ君は知らないと思うけど公爵同士は傷付け合うことが出来ないんだよ、だから僕がマンダ君と公爵に戦いに協力する事は残念だけど出来ないんだ、だからこそ僕が死んでしまう事は無いから大丈夫!こんなでも僕も公爵だからそこら辺の人類とか獣なんかには遅れは取らないし」
マンダ「公爵同士は傷付けられないのか…じゃあ尚更俺の旅に付いてきたいんだ?」
メディ「マンダ君と…離れたくない……それになにも出来ずに待つんじゃ無くてこの目で全部見届けて世界が変わるのを見たいんだよ!」
離れたくないか…俺もメディちゃんと会話出来なくなるのは寂しいな…けど旅の間はヒューマナタイトはどうするんだ?
マンダ「そうか…一緒に旅が出来たらすんごく楽しい道中になりそうだな!」
メディ「じゃあ!付いていっても良いって事かい!」
マンダ「いいや…旅の間、ヒューマナタイトの摂取はどうするんだ?断食って訳にはいかないだろ?」
メディ「ふっふっふっ…そこもバッチリ考えているさ!マンダ君の協力があれば大丈夫なはずさ!世界中でマンダ君しかこの問題は解決できないかもしれない解決法を思い付いたのさ!」
マンダ「俺にしか出来ない解決法?どういう事なんだ?」
メディ「分かりやすいように最初から順を追って説明するね!僕は普段怪我や病気で安楽死を求めてる人類からしかヒューマナタイトを摂取してないのは説明したよね!けど人類の胸に穴開けて手を突っ込む訳にはいかないだろ?無闇に身体を傷つけるのは遺族の人類に悪いしね…だからどうにかして別の方法を編み出したんだよ!」
マンダ「直接ヒューマナタイトに触る以外の方法があるのか?」
メディ「そうだよ!ヒューマナタイトの石は胸にくっついてるけどそこから発せられてるエネルギーは身体中を巡っているのさ、それこそ血液みたいにね!だから人類の指に傷を付けて僕の指にも傷を付けてくっ付けるのさ!感染症とかで危ないから人類同士じゃ絶対にやっちゃいけないけど、僕は病気や毒が効かない薬殺公爵だからねそういう手法が出来ると思ったんだよ」
マンダ「それでヒューマナタイトは摂取出来たのか?メディちゃんしか出来ない荒業だけど…」
メディ「それが大成功だったのさ!直接触るよりもゆっくり摂取するから穏やかに殺す事が出来るんだよ!これまでは魂がいきなり抜けちゃったみたいに死んでしまうから、こう…余韻というかやっぱり死にたくないって言えずに殺してしまう事があってね…ちょっと揉めることもあったんだよ…」
マンダ「勝手な人類だな殺せだとか死にたくないとか」
メディ「しょうがないさ…死ってのはどんな生き物でも怖いものなんだよ…」
マンダ「それで俺は旅の間指切ってメディちゃんにヒューマナタイトを分ければ良いのか?」
メディ「それだとヒューマナタイトを貰いすぎちゃうからちょっと危険だと思うんだよ…だからね…あの……血液からの摂取じゃなくて…その…ねんm…からn…摂取…でいけると思うんだよ……」
マンダ「?なんだって?モゴモゴ言い淀んで…」
メディ「んん~!!粘膜からの摂取が良いと思うんだ!!」
マンダ「粘膜だぁ!?!?」
メディ「ちちち!違うよ!想像してる方じゃなくてキスだよキスの方!」
マンダ「な~んだ…キスの方か…いやキスの方でもハードル高いぞ!まだ俺達会って2日しか経ってないぞ!」
メディ「でもこの方法が一番負担が軽くて簡単な方法なんだよお!だからマンダ君!キスをしよう!ちゃんと摂取出来るか試してみないと分からないじゃないか!これで出来なきゃ他の方法を考えなきゃいけないし!」
メディちゃんがドンドン興奮してきてる…鼻からふんふん聞こえてきそうだ
マンダ「メディちゃんちょっと落ち着いて!一旦キスは置いといて深呼吸しよう…な?吸ってー吐いてー…吸ってー吐いてー…落ち着いたか?」
メディ「ごめんよマンダ君……落ち着いたよ……」
メディちゃんが冷静になったようで安心だ…事あるごとにキスしながらの旅とか甘々過ぎる…俺が耐えられない…
メディ「それでマンダ君…僕とキスするのは…イヤかな?」
イヤじゃないです!経験無いから一歩踏み出せないだけです!恥ずかしくてキスしたいなんて言えないです!……いや勇気を出せマンダ!ここで頑張らないと!男が廃る!!
マンダ「イヤじゃないよ…俺もメディちゃんとキスしたいさ」
メディ「…そうなのかい…本当にイヤじゃ無いのかい?もう撤回出来ないよ…しちゃうよ!しても良いよね!」
メディちゃんがまたふんふんと興奮しているて俺も腹を決めた!行くぞ!マンダ!行くぞ!メディちゃん!
メディちゃんが目を瞑って待っている…唇が柔らかそうなのが見てとれるな…緊張してきた…歯は磨いたから大丈夫なはず…手はどこに置けば良いんだ?肩か抱き寄せるのか?呼吸はどうすれば?止めとけば良いのか?どうするんだ?目は開けとくか閉じた方がいいかて…最初は舌入れちゃダメだよな…カッコ良く紳士的にいかなきゃ…キスで嫌われたくないな…今ベッドの上で向かい合ってるから膝がぶつからないようにちょっと前にでなきゃな…よしっ!行くぞ!俺頑張れ!…メディちゃん顔ちっちゃいなー美少女の中の美少女だな…かわいい…見惚れちゃうな………………
メディ「マンダ君!遅い!えいっ!」
メディちゃんが覆い被さってきた…柔らかい感触が唇に当たった……んん!?舌まで入ってきた!?メディちゃん意外と大胆だ!
メディ「んん~ぷはっ………いや…あのだね…舌を入れたのは唇同士だと粘膜接触にならないと思ってね…思いきって入れちゃったんだよ……」
メディちゃんの顔が真っ赤だ…多分俺も真っ赤だ…
マンダ「これを旅に出たら毎日するのか…精神の方が追い付かないぞ…」
メディ「だ…大丈夫だよ!僕はヒューマナタイトの燃費が良い方だから3日に1回で大丈夫だと思う!それよりも身体に疲れとか倦怠感は無いかい?いつもみたいに血液で摂取するくらいの量の感覚で摂取してしまったのだけれど」
マンダ「特には感じ無いな…多分刺殺公爵と絞殺公爵のコウシャクマナタイトを摂取したお陰でヒューマナタイトの保有量が多くなってたんだろうな」
メディ「そうかい…それは良かった…じゃあ気兼ね無く摂取出来るね……」
落ち着いてきてたメディちゃんの顔が少し赤くなった…想像しちゃったんだな…俺も想像してしまった…顔が熱い……
これは今夜ドキドキして落ち着いて寝られないぞ…
メディ「マンダ君!これで僕の仮説が立証されたんだけど…もう1つの残念な仮説も立証されてしまったんだよ……」
マンダ「残念ってなんだ?結構行けそうだったじゃないか」
メディ「それはだね…キス以上の粘膜接触…いわゆる…子作り…それをしちゃうと…ヒューマナタイトを吸いとり過ぎてマンダ君が死んじゃうかも知れないって事さ…」
なんてこった…旅の途中キスまでしか出来ない生殺しの状態で残りの公爵を殺さなきゃいけないのかよ…
メディ「そんなに落ち込まないでくれよ…僕も非常に残念さ…人類なれたら良いのになぁ……そしたらマンダ君と………」
ますますメディちゃんの顔が赤くなる…かわいいなぁ…
そんなこんなで夜も更けていった………やっぱりドキドキで寝れねぇけどな!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます