刺殺公爵⑥

一旦離れて刺殺公爵が帰ってくるのを待たなきゃな、あんまり長居して鉢合わせたら口上言う前に殺されちまう…さぁとっとと馬を繋いでるキャンプポイントまでもどr………振り向いたら立っていやがる…刺殺公爵!ヤベェ!!殺される前に口上言わないと!!


マンダ「お…おれは……俺はマリハジ村のマンダ!!1ヶ月半前にお前に刺し滅ぼされた生き残りだぁ!復讐しにきt…ぐあぁあぁあ!!イテェ!」


いきなり左足の甲を刺し貫いてきやがった、オーケーオーケーまだ死んじゃいない上々だ


刺殺公爵「おやおや…あの時の若者ですか、まだあまり美味しく育って無さそうですねぇ食べるには早いですが、私の館に無断で侵入したのならしょうがないですねぇ罰として食べてしまいましょう」


そういって刺殺公爵はステッキで俺の右の太ももを貫いてきた、脚に力が入らなくてもう立っていられない…それでも虚勢を張って叫ぶ!美味しくなったように見せかけなければ!


マンダ「俺はお前を殺しに来たんだ!!父ちゃんと母ちゃんそれに村のみんなの為に!」


刺殺公爵「ほぉ私を殺しに…と言うことはその背中と腕に付けている箱のようなもので私を殺そうとしていたのですね」


刺殺公爵が興味ありげにパイルバンカーを見ている、刺す事に矜持と使命を持つ刺殺公爵にはとても魅力的な武器に見えただろうこんな事で興味を持たれるとは


マンダ「ああ!これでお前の事をぶち貫いて殺してやる!」


左腕のパイルバンカーを起動する、バシュって音と共に杭が発射された…もちろんこんな見え見えな攻撃なんて当たらない…それどころか左腕が貫かれて無くなっていた…


マンダ「ぐあぁあぁあ!!クソォ!イテェ!」


刺殺公爵「うるさいですねぇ…また顎でも貫き飛ばしてしまいましょう」


両足に左腕に顎まで貫かれてしまった…痛みと出血で目の前がチカチカする…


マンダ「あがぁあぁ………」


刺殺公爵「ふーんもう静かになってしまいましたか…あの村の時の方が威勢が良かったですねぇ…もうヒューマナタイトを頂いてしまいましょうか」


異様に細い身体をくの字に曲げながら床に仰向けに倒れてる俺の顔を覗き込んできた、ジェントルマンハットで見えにくかった顔が良く見える、まるでカカシじゃねぇか!布にちょんちょんちょんって顔が書いてやがる…こりゃ歪んだ人の形した化けもんだな…異様に細い身体もそういう事かよ…


覗き込んで来てもまだ遠い…もっと密着してからじゃないと秘策は通じねぇ俺は残る右腕を後ろに付いて体を起こそうとする


刺殺公爵「おやおやまだ立ち上がろうとするのですか大した根性ですねぇヒューマナタイトが輝いて見えるようですねぇ!」


きっと刺殺公爵に目玉がちゃんとあればキラキラしてただろう、俺に夢中になった一瞬を狙った


マンダ「おおあー(ここだぁ!)」


俺は後ろ手に床に突いていた右手のパイルバンカーを起動した、逆向きの返しのお陰で突き抜けずに腕に衝撃が伝わってくる、その衝撃が自分の体を前方へと吹き飛ばす、キリモミしながら刺殺公爵の方へ飛んで行く、驚いた刺殺公爵は焦りながらステッキで貫いてくる、キリモミしているせいで刺殺公爵は俺に止めを刺し損ねた、右肩を貫かれたが指は動く!イケる!


刺殺公爵の異様に細いカカシのような身体に俺の身体がぶつかる


マンダ「おういっひょ!(もういっちょ!)」


秘策を発動だ!右手の指でスイッチを押す


―――――――――――――――――


発明家のジイサン「刺殺公爵はとにかく素早いんじゃ、見えてる攻撃なら0距離でも避けるだろうさ、なら見えない所から攻撃すりゃ良いんだ」


―――――――――――――――――




背中に衝撃が走る、走るなんてもんじゃない千切れ飛ぶかと思った、後ろに背負っているパイルバンカーのガスボンベの箱に細工をしておいた秘策の衝撃だ、秘策ってのは俺の背中越しにパイルバンカーを起動するのさ1本じゃない10本纏めての発射だ!土手っ腹に穴が空くなんてもんじゃない腹から背中側の景色も綺麗に見えるだろうよ


マンダ「んんいいいぃぃぃいいぃいいい!?!?」


痛みで声にならない叫び声をあげている


両手両足顎に腹もう穴が空いてないのは胸と頭だけだ…なんで俺はまだ生きてるんだ?




消えていく意識の中で館の外に吹き飛ばされていった刺殺公爵の方を見てみる…どうやらパイルバンカーは当たったようだキリモミしててなおかつ胴体貫通したパイルバンカーの杭は0距離でもかなり散らばったようで刺殺公爵の頭に2本、左腕に1本、胸に2本、脚に1本刺さっていた、あんなに細い身体に運良くたくさん刺さったみたいだ、ピクリとも動いてねぇ…もう俺も動けねぇ…もう駄目だ…目の前が暗い…刺殺公爵が死んだのを確認しないt…………

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