Take in the World
ココロサトリ
全ての始まり
寝ないといけないのになんで僕はなんで泣いてるんだろう。
「僕なんか死ねばいいのに」
誰にも聞こえないように小声で独り言を言いたかった。
「僕は空気が読めない。人の気持ちが理解できない」
他の人がきっと思っていることだ。知ってる。なぜ僕が他の人間と違うのかが。わかりたくない。きっと僕はそういう人間なんだ。
「でも、、変わりたいよ。」
変われるはずがないのにそう思ってしまう!何度変わろうとしても変われなかったのに!!
「なにが違うんだよ。僕はなんなんだよ……!」
そう思っているうちに意識が閉じた。
突如地震のような衝撃で目が覚めた。
「は!?地震?」
かなりでかい地震だったんだね。でもそこまで部屋は揺れの影響をうけてないなぁ。
「どういうことだろ?倒れてきてもおかしくなかったのに?」
地震の揺れ的にもっと物が倒れてもおかしくなかったのになぁ。
違和感は感じるけど念のため家族の様子を確認しなきゃ。部屋のドア、開けるか。
「ん?ん?どういうこと?」
扉を開けると、そこは殺風景な謎の空間だった。
色んな方向に道が伸びており、ここからだとこの空間の全貌が見えない。
「というよりここ、ゲームで見るダンジョンみたいだね。じゃねぇよ!どこだよここ!」
一番ありえそうなのは、異世界?いやいや、そんなあほなことないよね。
ついに僕、本気で頭おかしくなったのかな。いや、それもないよね。
「でも本当にこれが異世界だとしたら、ここで立ち止まっていたら駄目だよね……」
僕はゲームやアニメが好きだった。その知識にこの空間に当てはまる。
普通に考えてこのままだと飢え死にするしまずは出入り口を探してみるか。ここ、ゲームで言うダンジョンだとしたら、モンスターとかいたりするのかな。遭遇したら間違いなく死ぬなぁ。体力もないし逃げれないよね。
「そもそも僕、死にたいと思ってたんだけど」
でも本当に死ぬのはずっと怖かったら、自分で死を選ぶこともなかった。
そうだ。死ぬのが怖いから、今わけわからん空間を進んでいるんだよ……
それにしてもタブレット見とけばよかった。回線が繋がってるか確認すればよかったのに。いつも僕はこうだ。後先考えず動く。そういうとこが嫌になるんだよなぁ。
モンスター的なものに遭遇したことを考えると、体が震える。死にたくないよ……
気を引き締めていかないと死ぬ。そう思い、よく周りを警戒しながら歩き始めた。
そうしていると、広い空間が奥に見えた。何かあるかもしれない、そう思い壁に張り付きながらゆっくり前に進む。
怖い。何かの気配がする。感じたことのないなにか。
ここからだと見えるかな...は?
奥のほうに見えるのはとても大きなゴーレムのようだった。とても腕が太く、足もでかい。顔もかなり大きい。なんだあれ、、あんなのに気づかれたら絶対に死ぬ。
よく見ると部屋のいたるところに細い通路があり、ゴーレムの正面にはでかい道がある。あれは外に繋がっているのかな。
だとしてもどうすればいいんだろう。あいつに気づかれずに進む道はないだろうし。部屋の隅々まで見てみないと。そう思い見回してみる。
ん?あんな隅に棍棒が刺さってる? 自分の身長程の長さの棍棒で武器のようだった。なにかその棍棒から感じるものがあった。それも僕の全てを揺るがすほどに。
なにあのあの棍棒……だけどあれを取るしか道はなさそうだよね。
そう思った瞬間、僕の思考に異変が起きてるのに気づいた。
「今何を考えたの僕?おかしいな……」
僕には体力がない。きっとあの棍棒を持ったとしても、まずゴーレムの攻撃に耐えられないよね。でもなぜかあの棍棒を取るとどうにかなる気がする。あのゴーレムにバレないようにあの棍棒を取ってみればいいだけだよね。
「なんでこんなこと考えてるんだろう……だけどそれだけのものを感じる……よし。決めた」
ゴーレムのいる空間に入り、あの棍棒を取る。そう決め空間にゆっくり足を踏み入れた。
「ゴゴ!?ガガガガガガガ!」
足音を立てないように中に入ったはずだったのに!? ゴーレムが気づいてこっちを見てきてる……!
声も出せないほどに焦りはじめる。
どうしたらいいの?逃げるしかない?だけどさすがに追いつかれるよね。なら,,!
僕は考える間もなく棍棒に向かって走り始める。
棍棒とゴーレムの位置より、僕と棍棒の位置の方がずっと近い!間に合え!
「ガ!……ガ!……ガ!……ガ!……ガ!」
後ろから大きな足音がする!!死にたくない!死にたくない!
「はぁ!……はぁ……!」
僕は必死に走る。追いつかれれば問答無用で死ぬからだ。
もう後ろまで迫ってきてる!おねがい棍棒!力を貸して!
そして僕は棍棒を引き抜いた。
その瞬間、僕が何をすればいいかがわかった。
後ろからゴーレムが腕を自分に叩きつけるように殴ってきてるのを感じた。なぜかわかった。
その瞬間僕は勢いよくゴーレムの身長よりも高くジャンプし、反射的に僕は敵の脳天に棍棒を力強く振り下ろした。
「ガガガガガガ……!!」
そうするとゴーレムが勢いよく転倒した。
いや..僕,なにをやっているんだろ? 今なんで僕はなにをしたらいいかわかったんだろう?身体から大きなエネルギーを感じるし、自分の手にある棍棒となにかで繋がってる感覚がする。思考がはっきりしている。
「思った通りだった……僕に力を貸してくれるんだね」
今まで変われなかったけど……今度こそ僕は変われるのかな。
そう感じ僕は棍棒の端の一部分を強く両手でバットのように持ち、それと同時に起き上がってくるゴーレムと対峙した。
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