柔らかな光の中で

海星

第1話 かえるぞ

──────夜の公園。噴水の前のベンチに座って無になっていた。


「…真っ直ぐ帰ってこい。」


少し甘ったるい声が特徴。低くもなく高すぎるわけでもない。でも声変わりした事をどこかで忘れたような声。この声が好きだったりする。…いや、こいつの全部が好き。


「帰れなかった。」

「なんで」


間髪入れず突っ込んでくる。


「お前に当たりたくなかった。」

「大丈夫。当られたらぶん殴ってやるから。」

「…できんのか?んなこと。」


「んー…。出来ない。けど僕が抱き締めたらりょうたは子供みたいに叫び出すよね。それで出し切ってくれるならそれでいい。」

「近所迷惑だよ。」

「まぁね。でもりょうた、今のままだと潰れちゃうよ?出し方下手なんだからさ。」

「出し方ね…。」

「僕ができる事はあるけどさ、」

「それでいいよ。むしろそれがいい。」

「…じゃあ帰ろ?ご飯だって作ってあるし。…食べさせてあげよっか?」

「いい!自分で食べる。むしろ俺がお前にしようか?」

「それも楽しそうだねー。ほら、帰ろ。」

「だな。」


女みたいに綺麗な顔したかけるが僕の腕に腕を絡ませてあるく。

誰も付いてる同士には見えないだろう。


こいつは男でも女でもない。

性別の無い『神』みたいなもんだ。

どっちでもない。でも美的センスは抜群。


所作が綺麗で行儀もいい。

僕の宝物だ。

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