第32話 レナータとココ


「はぁはぁはぁ、リナそろそろ出そう。僕の赤ちゃん大切に育ててね。」



 デブ貴族はリナをぎゅっと抱えてぶるぶると震えるとリナの股の間から白い液体がツーッとベッドに垂れた。


 リナが横を向くとリナの後ろからデブ貴族が名残惜しそうに後ろから乳房を強く握るように揉みだした。


 リナはずっと声を一言も上げていない。俺の方を悲しそうに、興奮気味な目で見つめてくるだけだ。


 俺も音を立てないようにルチアをゆっくりと体を前後させる。

 ルチアは俺の方を向いて、涎を垂らしながらキスをしている。



「リナ、明日も明後日も可愛がってあげ………」



 デブ貴族はしゃべりながら寝てしまった。


 裸になって俺に跨り、体を前後するルチアが姿を現す。

 リナは俺とルチアを睨んだ。



「きゃっ、あれ、見えてる?」


「ずっと見えてたわよ。

 ルチアがサトウ様の膝の上に座って気持ちよさそうに撫でられて、入れてもらってキスする様子全部。」


「恥ずかしい……」



 胸を隠しながら体を揺らされるルチアは顔を真っ赤にして照れているルチアを俺から引き離して、リナが俺の膝の上に乗った。



「約束だからね……」



 リナは自分で腰を浮かせて、俺を咥え込んでいく。



「ああああああああああ」



 濃縮した魔力をリナの中に少しづつ解き放つ。

 ルチアは俺の手をとって恨めしそうに見ながらぺろぺろと舐めてくれている。


 ルチアの乳房を掴むとびゅっと乳が噴き出した。



「サトウ様、私の飲んでください……」



 顔を赤くしながら自分の手で乳房を抱えて口に含ませようとしてくる。

 口にふくんで吸うと甘い汁が噴き出した。



「サトウ様、おいしいですか?」


「あぁ、甘くてうまい。」


「よかった……」


「リナ、中に魔力出すぞ。」


「はい、たくさん出してください。」



 リナは体を揺らしながら涙を流して俺をぎゅっと抱きしめた。床にぽたぽたと自分の体液とデブ貴族の体液と俺の体液を噴きこぼしてリナは気絶した。


 リナをデブ貴族の横に寝かせて、ルチアを膝の上に乗せる。



「もう……サトウ様……ひどいです……リナのあんな恥ずかしい所を見せなが私で楽しむなんて……でも私はどんな要求にも応えますよ……」



 ルチアは俺の方を向いて笑顔で長いキスをした。


 次の日、朝起きるとルチアが笑顔でキスをしてくれた。



「サトウ様、おはようございます。

 ゆっくり寝れましたか?」


「あぁ、ルチア、おはよう。」



 領主の城の食堂はいつでも入っていいと言われていたのでルチアと入る。



「リナ、なんだよ、昨日はあんなに気持ちよさそうにしてたじゃないか。」


「ちょっと、近寄らないでよ。気持ち悪いわね。」



 リナは昨日のデブ貴族に隣に座られ、尻を触ろうとする手を払い除けている。



「リナ、そいつの………」



 リナにデブ貴族の言う事を聞くように小声で指示しようとした時に、目の前の景色がブレた。




 頭が追いつかないうちに目の前に現れたのは建造中だった教会だ。



「サトウ様!来てくれたのですね!」



 ミリアムが後ろから駆け寄ってきた。



「お前は誰だ。

 俺は勇者の同行をしているサトウで、この教会の所有者兼運営者だ。」


「お前がサトウか、私はイデンの教会騎士、ココだ。

 レナータはもらうぞ。レナータはイデンの教会のものだ。」


「ものか…レナータは俺の大事な人だ。連れていかれるわけにはいかんな。

 レナータの異動はシャームの大司教兼、勇者局局長のカルロから許可を貰っている。」


「お前のこの魔力、魔族だな。」


「何言ってるんだ。そんなわけ無いだろ。」



 ココは腰を下げる刀を握り、ぐっと腰を下ろした。

 ココの腰に下げているのは紛れもなく刀だ。


 この構えは見たことがある。

 居合いだ。


 間合いに入った瞬間に斬られるとわかった。

 俺は亜空間から朱色の刀身の片手剣をだした。


 ドワーフに作らせておいたヒヒイロカネの片手剣だ。 

 俺が握ると少し震えて、より赤く、鮮やかになった。


 刀身の長さ的に相手のほうが間合いが長い。

 先に打ち込んでくるのは向こうだろう。

 体全体を濃縮した魔力で覆う。


 少しずつ、距離を詰めていくがココは全く動かない。

 次の瞬間、きっと周りからは全くその動きが見えなかっただろうが、鞘から刀が抜かれ、横真一文字に一閃される。

 俺は横からの太刀を縦に受けた。


 ココは一撃では仕留められなかったと判断して上段から振りかぶった。俺は振り下ろされた刀を受けることなく首筋に剣を当てた。



「刀身を斬っていたのか……私の負けだ……」


 一太刀目で俺のヒヒイロカネは相手の刀を全く抵抗なく溶かすように斬っていた。



「どうして、レナータを連れ去ろうとした。」


「ルチアはイデンの教会で治癒をしなければならないんだ。」


「どうしてイデンじゃないといけないんだ。」


「それは……あの方が悲しがるからだ……」



 ココは目を閉じ、喉元に当てられた刀身に身を押し当てようとしたので慌てて亜空間に収納した。


「死ぬ気なら、お前の力、俺のために使え。

 ここで幸せに暮らさせてやる。」


 ココは地面に膝から崩れ落ちて呆然と教会を見た。


「サトウ様、助かりました。モアナはグリゼルダと森に討伐に行ってしまっていたので。」


「しかし何で強制的に転移したんだ。」


「この指輪のせいだと思います。」



 ミリアムは自分の、指につけられた指輪を見せてきた。


「昨日、ヴァレリアにもらったのですが、さっき教会が襲われていた時にこの指輪が反応してサトウ様が現れました。」


「ヴァレリア、わかるか?」


「わからない。」


「そうか。でも、間に合って良かったよ。」



 ヴァレリアの頭を撫でると無表情のまま、すぐに何処かに行ってしまった。



「強制的に転移させる召喚の指輪か。レナータ、ココをここで働かせてやってくれ。」


「わかりました。」



 項垂れているココにレナータが横から抱きしめている。

 レナータに任せておけば大丈夫だろう。

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