閑話休題⑪
◆謎の洞窟◆
暗く静かな洞窟。誰にも踏み荒らされることなく、長い年月が過ぎ去ったかのように、そこにはただひたすらに沈黙が支配している。獣の足跡が散らばり、空気にはどこか古びた匂いが漂う。壁を撫でると、冷たさとともに、何か異質な感触が指先に残る。
下へ、さらに下へと進む道は、やがて行き止まりを迎える。しかし、目を凝らせば、そこには淡い光を返す白い物体が、静かに待っている。石か、それとも……何か別のものか。触れてはいけないと感じさせる、冷たい輝き。
その先に何が待つのかは、誰にも知られていない。ただ、そこにあるのは、無限の時に埋もれたもの。
振り返るなら、今しかない。
「洞窟に入る前に覚えておけ。暗闇の中で静かな場所ほど、長い時がそのまま眠っている。だが、眠っているのは時だけじゃない――奥へ進めば、何が目を覚ますかわからん。特に、見たこともないものに出くわしたら、慌てるな。帰り道が無事なうちは、いつでも戻れる。それを忘れるなよ」
――ベテラン冒険者
お読みいただき、ありがとうございます!少しでも楽しんでいただけたら、ぜひ『応援』『フォロー』をお願いします。応援が執筆の励みになりますので、よろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます