恋愛初心者の俺は学園の花の前でペストマスクを被る
ノマテラ鉢巻石火ハッサム2世
初心か馬鹿か
第1話 花よりイカ飯
「断る‼︎断じて断る‼︎」
朝っぱらから俺の必死の抵抗対、友達母妹による強烈な攻防戦が繰り広げられていた。
「こいつ…ほんとしぶとい、!」
今の状態を簡単に表すと友達が俺の両腕を引っ張り外に出そうとしていて、My MotherとMy Sisterは俺の背中を押し家から出そうと押し出している。
「行ってきなよ…お兄ちゃん!お母さん頑張って我が息子を家に出すために、本気で力入れて言葉すらまともに話せて無いから、そろそろ私も疲れてきてこれ以上は…ちょっと……。」
「ふん、まだまだだな。我が妹よ、」
「どんなテンションだよ!」
友達が顔を赤くしながらツッコム
何が原因で俺が抗っているか、答えは単純明快で今日は文化祭だからだ。
うちの校は文化祭で毎年恒例の社交ダンスの行事がある
そう簡単な話で俺はその社交ダンスをしたくないがためこのような攻防戦が繰り広げられてていたのだ
「相変わらずの馬鹿力だな!」
「お前らが弱いだけだ、俺自体は貧弱その物…」
「どんな謙遜の仕方だよ!!」
と、友達が顔を更に赤くしながらツッコム
「盟友よ、そろそろ手を離してくれないか。両腕がとても痛いのだが。」
「お前を今日は!文化祭に連れて行くんだよ‼︎」
「嫌だ!!!何故そこまで文化祭に固執する!!!!」
「兎に角連れて行くんだよ!!!!」
何故ゆえそこまで文化祭に連れて行きたいのだろうか
意味の無い争いを続けていると家の階段から妹が降りてきた
「おぉ、我が妹よ兄は今少し忙しいのだ。もし良ければ、この兄に少し情けをくれて手伝ってくれないか?」
形勢逆転。
家のもう一人の妹は俺に中々に従順でお願いをきっと聞いてくれる存在だ‼︎
これで俺は文化祭の社交ダンスをせずにすむZE☆
「……お兄ちゃん、」
そんな希望を胸に抱き妹の援護を期待していたが、俺の希望は妹の発言により打ち砕かれた。
「ダッサ、」
その言葉を聞いた瞬間俺の顔は絶望に染まっていく
「嗚呼…ぁぁそんな無慈悲な、」
妹の目は本当に心の底から蔑んでいる目をしていた
俺はそのまま脱力し、友達に首根っこを捕まれ学校まで連行されるのだった。
「んん〜、このイカ飯美味いな。」
「思いっきし楽しんでやんの」
現在俺は絶賛文化祭の屋台飯を堪能していた
「お前、なんで文化祭の時だけ行きたがらないわけ?めちゃくちゃ嫌そうに見えないのだが。」
「俺は文化祭自体が嫌いな訳じゃなくて、この校の文化祭行事が嫌いなんだ。」
社交ダンス。
それは俺にとって地獄のような行事
まず、俺には女子の友達がいない。そして何より女性の人の接し方がわからない‼︎
「だから嫌なんだあああぁぁぁぁぁ!!!!!」
「うわぁぁぁ!!!うるせぇ!!落ち着け!!」
––––––スン––––––
「うわぁぁぁ!!!急に落ち着くなぁぁ!!!」
騒がしい奴である
閑話休題
「んで?結局社交ダンス絶対の状態だけど、お前相手いるのか?」
「はぁ?舐めてんのか?」
「ヱ⁉︎まさかいるのか!?」
「はぁ?舐めてんのか?」
「ですよねー」
そもそも文化祭に来る予定はなかったのでそんな相手いるわけが無い
何を寝ぼけた事言ってんだこいつは
「んで?お前どうすんの?」
「どうすんのって、どうもしないけど?」
「残念ながらそれは難しい話だね」
「…………………はぇ?」
「なんてったって、お前は風紀委員会の文化祭担当のブラックリストに乗ってるからだ!!」
「はい?」
何やだこの子、アニメと漫画の見過ぎで頭が茹で上がったのか?
「おっと、俺の言ってることは本当だぜ。現にほら、あれ見てみろよ。」
友達が指差した方向には学校の掲示板があった
掲示板には先程行ったイカ飯やの宣言ポスターだとか激アツ‼︎俺カフェ‼︎など個性豊かな張り紙が貼られていた。
だが一つその張り紙の中に、一際目立つ異色を放った張り紙がそこにはあった。それは、
「ぶ、文化祭ブラックリスト!?」
赤文字で太く書かれた張り紙があった
背景は虹色で目が痛くなるデザインで、リストにはこれまた太文字で一際目立つ赤色で名前が何個か殴り書きされていた。
その中には俺の名前も書かれていた
「これ名誉毀損だろ」
「生徒会と風紀委員会が手を組み、どうにかして文化祭に来てない人を呼び寄せるために、思いついた案が名晒し、世も末やわ〜。」
おいおいまじかよ、生徒会と風紀委員会の奴らどうにかしてやがる。
「嫌々だとしても、俺が社交ダンスをする動機にはならないはず‼︎現に俺は文化祭に参加しているのだから!!」
そうだ、何故社交ダンスに参加せねばならぬ。別に参加しないといけない理由はどこにもないのだ。
そう勝ち誇っている俺に友達は少し引き気味になっていた
「残念ながら文化祭になんの理由もナシに参加をしてなかった人や最終日までペア出来なかった人が、文化祭の社交ダンスに参加できるようにするために生徒会・風紀委員・他校からの生徒達の全面協力の元、ペアがいない人のために生徒会や風紀委員の人達や他校から来た生徒達がペアを組んでくれるというサービスが始まったんだ。」
「‥‥‥ゑ?」
友達が言った言葉に俺はそれを理解をすることが一瞬できなかった
間髪入れず友達は更に口を動かす
「しかもありがたい事に、ペアになってくれる人達はどれもこれも当たりばかりで彼彼女等は誰とペアを組んでも良いとの承諾を得たものだから合法なのだ。
よかったな、こんな機会この後の人生合コン以外ないぜ?そして俺は風紀委員会でも上層部の者だから絶対にすることはないが、俺とお前を友達のよしみでいい人も紹介してやるからだから、な?」
な、なんてこった
全てがまるで仕組まれてるでは無いか
「お…お前、図ったな。」
「いいや、これは俺は悪く無い。言うなら風紀委員長と生徒会長とここの教師と他校の教師に言ってくれ。」
「んなバカな、そんな上手い話あってたまるか!!!」
「お前たった一人にここまでする程
いや確かにそうではある、があまりにもおかしすぎやせんか?
「いやそもそもとして、何故そこまで社交ダンスがいやなの?」
「そんなの…じょ、女性の人と、手を繋いで踊るとか……恥ずかしいじゃん!!」
「お前いつから恥ずかしがり屋の彼女見たいな性格になった」
「元はこうじゃなかったよ、でも今は家族の女性以外、こう、なんかちょっと、恥ずかしくてさ。」
俺は小学校の頃から女性とは少し距離があり、中学生時代は男子校に通っていたため女性との接し方がわからなくてなったのだ。
そのため今ではクソナードとなっている
「かぁーー‼︎行きたくねぇー‼︎」
「いやいくべきだ。明らかにここが学園生活の山場でありターニングポイントだ。今回で少しでもいいから女性に慣れるようにさ、頑張ろうや。そのためにな、ペア決めに行こうぜペア決めに。」
半ば強制的に俺は社交ダンスのペアを決めるため、またもや友達に首根っこを掴まれながら連行されたのだった。
その道中お腹が空いたため、友達の引っ張りを無視して一度戻りイカ飯を再度買うのだった。
恋愛初心者の俺は学園の花の前でペストマスクを被る ノマテラ鉢巻石火ハッサム2世 @airmanairman
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