鯖の塩が濃いぜぇ(ポエム)
星咲 紗和(ほしざき さわ)
詩
鯖の塩、こんなにも濃く
舌にじわり、染み込む味わい
まるで、古い海の記憶のように
深い青、重ねる層の中で
忘れられた潮風が吹き抜ける
塩、ただの塩じゃない
積もる年月、重なる潮
それが、今、口の中に爆発する
しょっぱさが、苦さが
遠い日の景色を呼び覚ます
波打つ海岸、沈む夕陽
あの頃の自分と、今の自分が
このひとくちの中で重なっていく
濃い、濃いぜぇ、この鯖の塩
何かを失い、何かを得て
いつしか俺も、この味に
心をゆだねるようになった
鯖の塩が濃いぜぇ(ポエム) 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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