第2話 異界の門
「お~い。恭弥、起きろ~、起きないとお姉さん、目覚めのキスしちゃうぞ!」
嗅覚を刺激する薬品の匂いに顔をしかめながらも、瞼を開けると目の前には黒髪の日本人形が瞼を閉じていた。押しのけて上半身をベッドから起こす。
「時雨先生……いい年して何してんですか? イテッ!」
すかさず頭に拳骨を食らう。時雨先生は歳のことを指摘されるとこのように激烈に反応するのだ。現実逃避も甚だしい。
「恭弥、藤丸に一撃あてたらしいじゃん。おめでとう!」
「はあ……ありがとうございます」
僕の今回の試練は無事クリアしたようだ。静かな喜びが水のように溢れ出てくる。この調子で一つずつ目標を設定していれば、いつかは目標に到達しうると信じたい。
「その顔、考えていることが丸わかりだけどねぇ。それ無理よぉ」
「無理? どういうことです?」
「今日の恭弥の戦闘を見た全教員が同じことを考えたと思うわぁ。恭弥は魔術はずぶの素人。だけど戦闘センスはズバ抜けている。おそらくこの学園では最高クラス」
「ちょ、ちょっと待ってください。僕にそれほどの戦闘センスなどあるはずがありませんよ」
僕の戦闘センスがこの学園最高クラス? んなわけあるか! さっきの藤丸との戦闘も油断した奴の左頬にワンパン入れただけ。実に情けない結果だ。
「……君と藤丸とでは天と地ほどの力の差がある。当然だ。物心つくころから藤丸は対人戦闘の英才教育を受けている。対して君は今年魔術師になった素人。だけどその藤丸に君は一撃を与えた。仮に、あれが実戦で特殊な魔術的付与された武器を装備していたら、死んでいたのは恭弥ではない。藤丸の方だ」
時雨先生の様子がさっきのおちゃらけた姿とは一変していた。本心なのだろう。
そうすると、無理というのは……。
「今後実習教官たちが僕を修練に参加させなくなるということですか?」
「そう。奴ら恭弥を追い落とす事が倖月家の評価に繋がると固く信じちゃってるからね。当然理由をつけて見学させられるわよぉ」
入学して数か月、やっと自身の修練方法がつかめてきたんだ。それなのに、修練に参加させない?
あり得ない。それじゃあ、時間だけが無駄に過ぎていくだけだ。
時雨先生が断言口調で言っている時点でこれは決定事項なのだろう。時雨先生抜きで職員会議でも開いたか。糞共が!
だが、またこれで振り出しに戻ってしまった。新たな修練方法を考えねばならない。
しかし、魔術の素人の僕には今日のような機会でもなければ実力を上げる手段などない。
八方塞がりというやつだ。
この件では時雨先生は傍観者であり中立者。僕に戦い方を教えてはくれないし、助言もしてくれない。
「恭弥君。今日は早退していいわよぉ。私の方から禿校長には連絡しておくからぁ」
「はい」
ありがたい。今日は今後の戦略を練り直したい。今後、修練に参加させてもらえないとすると、そもそも最初から計画の立て直しが必要かもしれないから。
時雨先生に簡単な挨拶をして医務室を出ると一番僕が嫌悪している奴が目の前にいた。
(いくら魔力にダメージが変換しているとはいえ、死にかけたんだぞ! どんだけこいつ無慈悲なんだよ!)
視線を合わせなければ執拗に絡まれることもないだろう。ともかく僕はこいつと同じ空気を吸っていると思うだけでゲロ吐きそうだ。
「ちょっと、身体、大丈夫なの?」
ひどく神妙な顔つきで朱花が僕の腕を掴む。僕の顔は自然に腹痛でも起こしたようにくしゃくしゃに歪んでいた。無論激烈な嫌悪感からだ。
朱花は僕の顔を見て唖然として体を硬直させていたので、すぐに振り払うことができた。
「あ……」
足の動きが自然と早くなる。
情けないがここでこの女につかまると今朝のような茶番に付き合わされるはめとなる。いつもならそれも精神修行の一環として諦めもつくが、今日は未来の自己練磨の道が閉ざされて心底落ち込んでいる。これ以上の心的負担は正直避けたい。
教室に荷物を取りに行くのも明日でいい。今日は自室でゆっくり考えたい。
下駄箱に行くと今度は瑠璃だ。僕と違い魔術の才能があるのだ。倖月の奴らは僕のような虫になんぞに構っている暇があるなら、自己の修練に費やせばよいだろうに。
「キョウ君、よかった無事で――」
「瑠璃さん。探しましたよ」
月彦だ。助かった。僕の知る中では月彦はトップレベルに使える奴だ。何せ瑠璃と僕の接触をことごとく阻んでくれる。
瑠璃が月彦と話している間に下履きに履き替えて学校を後にした。
◆◇◆◇◆
僕の今の住居は知り合いの不動産屋に格安で紹介してもらった家だ。
なんでも、お化け屋敷として有名な家でなおかつ森の中にあるので買い手がつかず、不動産屋としても困っていたらしい。父と兄という魔術師を家族に持つ僕にとって幽体などさほど珍しいものではない。むしろ鬱陶しいセールス等の部外者が寄り付かないだけ優良物件といえる。さらに、通常5000万近くするのがたったの1000万で購入できた。まさに至れり尽くせりだ。
しかし、何事にも良い部分があれば悪い部分もあるのが常である。
この家、というより屋敷だが、前の住居者の家財がまったく撤去されていないのである。この家財半数は使えるが、もう半数は腐るか壊れるかして使用不可だ。この撤去作業が僕の著しい負担となっていた。
今日のような精神状態が最悪のときには単純作業をすると気がまぎれるものだ。そういうわけで現在、倉庫の整理に勤しんでいる。
倉庫の中には食器のような金物や、作成者の感性を疑うような不気味な民芸品、古めかしい甲冑や剣、壺などの骨董品などがあり、お転婆の沙耶に手伝わせればさぞかし喜んだことだろう。
しばらく、倉庫整理に熱中していた僕だったが、一旦休憩しようと座る場所確保のため壁際にあるガラクタを掻き分けていると、壁の一部分が崩れかかっているのが視界に飛び込んできた。
(ミステリー系の小説ではここから白骨死体が出てくるのが定番だよね。……ん~、でもよく考えたら白骨など別に珍しくないかな……)
父の専攻は降霊術。その降霊術にはアンデッド生成の魔術もあり一時期、スケルトンとゾンビで家中が溢れかえったこともあった。その珍事と比較すれば白骨死体など動揺するに値しない。警察に通報するのが面倒であるくらいだ。
崩れかかっている壁はやけに新しかった。崩れていたのも隠すというよりヤケクソ気味にコンクリートで塗りたくったからだろう。
バールで全壊させると地下への階段が出現した。
地下室? こんな面白いものを調べない手はない。特に今日は学校で碌な事がなかったから、このような小冒険はストレス発散にもってこいだ。
懐中電灯片手に地下に降りていくが、基本一本道の通路だった。
突き当りは重そうな白い石の扉がドンと聳え立っていた。
渾身の力で扉を開け中に入ると、そこは見渡す限り白一色。
白い天井、白い壁、白い床。あたり一面真っ白であり、正直作成者の趣味が疑われる部屋だ。
その狂ったように真っ白な部屋の中心には黒箱が、その部屋の最奥には絢爛豪華な装飾がなされた漆黒の扉があった。
(この黒い扉と黒箱は一体……?)
好奇心は猫も殺すという言葉を無視するのが魔術師の本分と言っても良い。僕はこの半年どっぷり魔術に浸った魔術師だ。開けない選択肢などあろうはずもない。
黒箱をゆっくりとあけると、そこから腕輪、指輪、鍵とそして陽炎のような漆黒のオーラを絶えず発生させているサッカーボールほどの水晶があった。
腕輪、指輪、鍵を手に取って調べてみるが、細かい装飾が隅々まで張り巡らされている。しかもこの装飾
この腕輪、指輪、鍵に施されている装飾が
魔術師の特殊工房が1000万円で売りに出されるなど笑い話にすらならない。本来、億単位で売り買いされるものだ。
現に僕が楠家の工房を叔父に売却した際も、親戚ということでかなり安くたたき売られたにも拘らず8000万円近くで売れた。
魔術の存在が世界に認知されるようになったのは2050年。今や30年以上の月日が経過しているが、それでも魔術師は魔術の存在を本能的に隠そうとする。
ゆえに魔術審議会は魔術師とその有する工房の登録とを呼びかけているのだが、その登録を拒否する魔術師も少なからずおり、その魔術師が死亡すれば、その工房はこの世界から誰に知られることもなく消えていく。これもそうした工房の一つだと思われる。
あとは黒水晶だけだけど……。この肌にピリピリくる感じといい、猛烈にヤバイ予感しかしない。
本来この黒水晶だけは魔術審議会に報告しその指示を仰ぐべきなのかもしれない。
これが仮にそれなりに貴重なものならば金一封くらい出るかもしれないが、別に僕は金には困っていない。何より、僕に今必要なものは力だ。何者にも今後僕と沙耶にちょっかいを出させないだけの力。そう! 倖月家さえも正面から敵に回せるだけの力が!
だから――。
ゆっくりと手を黒水晶に伸ばす。意を決して両手で黒水晶を掴み持ち上げる。突如、多量の漆黒の闇が黒水晶から高速で湧きだし、白い部屋を黒色に染め上げた。
同時に僕の意識もストンッと闇へと落ちていく。
◆◇◆◇◆
ひんやりした石床の感触に身震いしながら、身体を起こし周囲を見渡す。
当たり前だが、あの狂ったような真っ白の部屋だ。
あれだけ禍々しい魔力を垂れ流していた黒水晶はただの灰色の石へと変貌し床に転がっていた。手で持ち上げて調べてみるが、何の変哲もないただの石だ。
少々、対処を誤ったかもしれない。
腕時計で確認すると現在、16時ジャスト。どうやら2時間近く寝ていたことになる。体の調子はどこも悪くはないようだし、毒や呪いといった類ではなかったのだろう。
デメリットがないなら僕にとってマイナスとはならない。
腕輪と指輪も試に装着してみることにする。
確かに腕輪や指輪に毒のトラップが仕込んである可能性を鑑みれば装着することに躊躇いはある。僕が明神学園で首席をとれず死亡した場合に沙耶がどうなるか想像するに容易いから。
しかし、どの道、今のままでは首席どころか落第だ。今より強くなる可能性があるなら、冒険をしないわけにはいかないのだ。
恐る恐る、腕輪と指輪を嵌める。だが別段変わったことはない。緊張し息を止めていたせいで肺に溜まっていた空気を一気に吐き出し、額に着いた汗を拭う。
腕輪と指輪を装着しても利するところもなければ害するところもないようだ。気合を入れていた分、若干、拍子抜けするがまあ魔術師が他者に頼ろうとするのがそもそも間違いなのだ。何事もなかっただけ良しとすることにする。
後はあの漆黒の扉とこの鍵だ。普通に考えればこの鍵は扉を開くためのものだろう。
兎も角、調べる必要はある。さっそく、調査を開始するとしよう。
扉の前に行き調査を開始するが――。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【異界の扉】
★説明:異界と現界の二点をつなぐ扉であり、自由に行き来が可能。
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頭の中に情報が突如浮かび上がる。
「へ? 何これ? 頭にイメージが……
この不可思議な現象を確かめるべく、色々扉を触って試したが同じような現象は起きない。
心臓の鼓動がシーンと静まり返る地下室に五月蠅く鳴り響く。
「落ち着け、僕! 冷静にならなきゃ得られるものも得られないぞっ! まずは再現だ。僕はこの扉を調査しようと――」
そう己に言い聞かせつつ、頭を巡らすと、再び、映像が脳裏に浮かぶ。
つかめたかもしれない。
扉に視線を向け『調査』と心の中で唱えると、【異界の扉】の情報が僕の脳に与えられた。
「ビンゴ! やはり、視線を向け『調査』と唱えることが発動の条件だ。
お次はこの腕輪と指輪。さらには鍵かな」
まずは鍵からだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【異界の鍵】
★説明:異界の扉を開ける鍵。この鍵なくしていかなる存在も通過することができない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次が腕輪。
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【万能の腕輪】
★説明:《既来転移》、《
・《既来転移》:腕輪に触れている者を一度訪れた場所に転移可能。ただし1日2度のみしか使用不可。
・《
・《万能翻訳》:知能の有するあらゆる存在の言葉を理解し、発音することが可能。
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最後が指輪だ。
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【解析の指輪】
★説明:視認したありとあらゆるものを解析する。ただし、発動には『調査』のワードが必要。
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解析対象がありとあらゆるものということは生き物も可能なのかな?
僕自身を見て『調査』と唱える。
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ステータス
【楠恭弥】
★レベル:1
★能力値:HP6 MP12 筋力1 耐久力3 俊敏性2 器用2 魔力3 魔力耐性3
★スキル:《進化LV1(0/100)》
★魔術:《#創造魔術__クリエイトマジック__#》
★EXP:0/10
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僕が中学の時までやっていたオンラインゲームと似ている。おそらく、このシステムを作った魔術師の趣味だと思われる。
僕の能力値の平均が2。能力値があまりに弱すぎる。これでは鈴木や藤丸達にボコボコにされるはずだ。だが、自身と他者の能力値を把握できるようになったのは大きい。
次が《進化LV1》。
これだけは何がなんだかわからない。ゲームと同じならこの《進化》も詳しく見ることができるはずだ。『調査』と念ずると頭に《進化》の情報が送られてくる。
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【進化】
★説明:必要経験値・スキルポイント50分の1。獲得経験値・スキルポイント2倍。
★LV1:(0/100)
★ランク:
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ランクも調査してみる。
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【ランク】
★説明: 魔術・スキルの強度を図る指標。
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またスキルにもレベルがあり、レベルが上がるほどより強力になるらしい。スキルポイントは次のレベルに到達するまでの値だ。スキルポイントを100稼げば、《進化》はレベル2に到達する。
必要経験値・スキルポイント50分の1とは、次のレベルまでに必要な経験値等が50分の1になるという文字通りの意味だろう。この解析したEXPとスキルポイントは50分の1した値だと思われる。
この《進化》は途轍もなくチートだが、僕は今まで魔術師の修行をしてこなかった。朱花や藤丸達に追いつくにはこのくらいの優遇でもないと不可能かもしれない。
魔術の欄の
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【
★説明:他の存在から情報を摂取し、独自の魔術・スキルを創造し、ストックする。
★ランク:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この
《他の存在から情報を摂取し》とあるが、血液でも舐めろということだろうか。肉を食べろというのだけは勘弁願いたい。
今は僕が得ている情報があまりに少なすぎる。この程度しかどうやっても分からない。
いよいよ、お預けにしてきた最も今僕が気になっている事項。即ち、【異界の扉】。
魔術が公になった現代社会において確認されている異世界は天族の住む天界、竜族の住む竜界、幻獣族の住む幻獣界、魔族の住む地獄界、精霊族の住む精霊界の5界のみ。
それもこの五界からしか召喚術で呼びだせないことからの推測にすぎない。
世界について召喚された存在に尋ねようにも、天族達には僕ら人間達に無暗な情報を与えてはいけないという厳格なルールがあり情報を得るのは不可能だ。
兎も角、行き来が出来る扉があるなど聞いたこともない。もしこれが真実だとして公になれば魔術師界に激震が走るだろう。
まあ僕には目的があるから絶対に公表したりしないわけだが――。
ワクワクする気分を抑えつつ、扉の前に立ち鍵穴に鍵を入れゆっくりと時計回りに回していく。
カチャリ!
鍵が開く心地良い音が部屋に響き渡る。
扉のノブに手をかけて開ける。
扉の中は闇が広がっており、先は見えない底なし沼のようだ。
普段の僕ならば少なからず気おくれしているはずなのだが、修練の道が閉ざされたせいか、今の僕を支配しているのは異世界という新たな可能性に対する渇望だけだった。
その渇望のままに、勢いよく闇の中に足を踏み入れる。
踏み込んだ先は真っ暗闇。これは予想通りではあるし、さほど驚きはない。手さぐりで進むが、数回ゴツゴツとした岩のようなものに頭をぶつけ尻餅をつく。
徐々に目が慣れてきた。
僕が今立つ場所は直径4~5メートルくらいの半円形の赤茶けた空洞のような場所だった。おそらく洞窟か何かだろう。
今の僕は何も装備していない。ここが真の異世界ならお決まりの
カサッ!
踵を返そうとしたとき暗闇に蠢く複数の気配がした。もやのように不安が僕の全身に広がっていく。
足は自然に扉へ向けて動いていた。
ギイィィィ!
背後で奇声を上げながら迫り来る存在。この存在から逃れるため一心不乱で僕は足を動かした。
【異界の扉】の中に入り扉を閉めようとすると1メートル以上もある数匹の巨大蜘蛛が僕の眼前に迫っていた。
ドンッ!
僕が扉を閉めるのと巨大蜘蛛が体当たりをするのはほぼ同時だった。
「じょ、冗談じゃないって! もう少しで喰われるところだったっ!」
荒い呼吸を整え、気持ちを落ち着かせる。
十分程度冷たい石床に腰を下ろしていると思考はだいぶ回復してきた。
これではっきりした、この地球には1メートルを超える蜘蛛などいない。 あそこは異世界だ。
天界、竜界、幻獣界、地獄界、精霊界の五界の可能性が一番高いが、それ以外の異界という可能性も捨てきれない。
兎も角、これで修練の当てができた。
無論、命を掛ける必要はあるが、明神学園は倖月家の支配する箱庭であり、元々僕などいつ殺されてもおかしくない環境だ。それが多少過激になったに過ぎない。
さっきの【解析の指輪】で見たステータスがゲームや小説と同じなら
当面はさっきの大蜘蛛を倒しレベルを上げることに専念しよう。そのためにも装備を整える必要がある。
装備は兄さんが使っていた
あとは食料も買い込む必要があるだろう。
ゲーム、小説定番のアイテムボックスの機能を有する【万能腕輪】もある。買いだめしておいても荷物にはならない。
さっそく用意に取り掛かろう。
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