3.“便秘”に対する誤解

第3話

3.“便秘”に対する誤解


ところでみなさんは、保育園や小学校のときの朝礼で、

「朝ごはんは食べてきましたか?」

「朝、お家でうんちしてきましたか?」

と聞かれて、手を挙げさせられませんでしたか?

実は、このことをきっかけに、“毎日うんちが出ない”と「自分は便秘なんだ」と思い込み、悩んでいる方にたくさん出会います。


腹部マッサージの実践研究のために、便秘で悩んでいる20人を募ったところ、そのうちの13人は2~3日おきにバナナ1本分程度の排便のある正常な方たちでした。毎日出なくては便秘だと思っている人のなかには、下剤を飲んで、下痢のような便を毎日出しているという方もいました。

世の中には、「うんちを出すこと」に一生懸命だけれども、「気持ちよく出す」ことには関心を持ってこなかったという人がたくさんいます。その一方で、「出なくて苦しい」と救急車で病院に運ばれる方も後を絶ちません。なぜ、こんなことになっているのでしょう。

その背景には、排便のことを話題にしづらい社会が影響していると考えられます。「便が漏れた体験は誰にも言えない。墓場まで持っていく」と。尿失禁に関しては、尿とりパッドのコマーシャルがテレビで流れる時代になりました。だからといって、自分の尿失禁のために尿とりパッドを買い物かごに入れるのは、やはり勇気がいるでしょう。

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