第13話 大調査&告白からの即返事(その4)




「あれ、、、この写真本って、」


撮影が終わり、片付けをしている俺と数人が部屋に居る状態の時に、本棚の中にあった1つの写真本に目が奪われた。何故なら、


「、、、、七四ナナシ、、か」


カメラマンの名前がそう書かれた写真本を手に取る。じっくりと見て、もしかして、何て思いながら、独り言を呟く。


「偶然、?な訳ないk 「結人ゆいと、何してんの?」 ピャッ 、!」


写真本を棚に戻そうとしたら背後から声が聞こえて、ビックリして写真本を落としてしまった。俺は後ろを振り向くと、


「と、とおるさん、!?び、ビックリさせないで下さいよ」


「ごめん、ごめん。まさかそんなに驚くとは思わなかった」


「もぉ〜、、、、ぁ」


顔を膨らませながらそう言って落ちてしまった写真本を拾うと、俺は透さんに聞いてみる事にした。


「透さん、この写真本って誰が持って来たんですか?」


「?、、、、ぁ〜、この本ね、この本は湊斗みなとが持って来た、、」


「そうですか(やっぱり、か。でも、偶然だよな)」


「と言うか、その本のカメラマンって、湊斗だしな」


「へぇ〜、、、、、、、、え"!?」


一瞬受け入れてしまったが、少しの間が空いて、俺はビックリして透さんの顔を見つめる様に見た。

透さんは一瞬躊躇った顔をしたかと思えば諦めて、口を開いた。


「俺も最初はビックリした。おばさん、湊斗のお母さんが「そんなに写真撮る事が好きなら、1冊ぐらい本でも出したら?書店とかに売らなくても良いし、友達に見せる様に、とか」って言い出して、去年の秋に出したんだよ」


「そうなんですか、、、、何で、カメラマンの名前、七四ナナシ何ですか?普通、松原湊斗まつはらみなとじゃ、?」


俺が気になった事を聞くと透さんも「あぁ」と呟いた瞬間に優しく教えてくれた。


「俺も最初は、「身内にしか見せないんだし」って、言ったんだけど、アイツが「、、、、いつか、これを見た子が気付くかもじゃん?、それに七四ナナシは、俺にとってももう1つの名前だから、笑」」

「何て、言ってたけど、あれどう言う意味だったんだろ、、、、って、結人?どうした?」


透さんの話を聞いて、俺は疑問が確信へと変わった。俺は写真版を強く握り、俯いていた顔を上げる。


「あの、!透さんこの本、少しの間、だけ借りても良いですか!」


「!、良いけど、」


「ありがとうございます!、俺、もう家に帰りますね!」


「おう、分かった。じゃ、また」


俺は透さんに一礼してからすぐに荷物を持って部屋から出て、駆け足で家に帰る。




『そう言えば、ナナシさんって、カメラマンとして働きたいとか、あるんですか?』


『ぇ?うーん、あるっちゃ、あるけどね。母さんから1冊記念に作れば、って言われてるし、』


『へぇ〜、凄いですね!』


6月下旬、今日も今日とてナナシさんにスイーツを食べさせながら談笑している。


『でさ、、、、その写真本のカメラマンの名前、本名にするか、他の名前にするかで悩んでてね』


『ぇ、そうなんですか。、、、、確かに書店に出さなくても友達とかに見せるなら本名でも良いと思いますけど』


『気付かない内に、知らない人が見られたら俺は超嫌だわ。もし、揶揄われたりしたら、立ち直れない』


何てショボーンとしながらシュークリームを食べているナナシさんに同情してしまい、ある提案をしてみる事にした俺。


『ナナシさん、、、、ぁ!なら、ナナシって言うのを名前にしたらどうです!?』


『、、、、ぇ?』


『だって、今の俺にとっては、ナナシさんの名前はナナシです。本名をしないから、ナナシが名前なんですよ。なら、これをもう1つの名前にして、写真本のカメラマンの所を名前にしたらどうですか?』


『、、、、う〜ん』


俺がそう提案すると、ナナシさんは少し考えた後、シュークリームを1口食べ、俺の方を見て、一言。


『それ採用だね』


『、!本当ですか!?ヤッタ!じゃあ、オシャレな感じにしましょ!』


『オシャレな感じ?』


『はい、!ちょっと待って下さい。えぇっと、あった』


俺はすぐに鞄からノートとペンを取り出して、俺とナナシさんの間に置き、ノートを開く。


『例えば、ナナシだから数字の7と4で74《ナナシ》とか、、漢字の方の七と四で七四ナナシとか、、俺的には、感じの方が大人っぽくて好きですけど』


『なら、そっちにするよ。結人君がそう言うなら』


『えへへ、ありがとうございます。じゃ、こっちで決定ですね!』


『うん、、そうだね』


笑顔になりながらナナシさんを見て言ったら、ナナシさんは俺の頭を撫でて、俺はビックリしてしまった。でも、嬉しくてまた笑顔になってしまった。





「完全に、この会話じゃんか、、、、恥ずかしい//」


何て呟きながら気付けば帰路に着いており、キッチン居た俺。俺は恥ずかしなりながらも、夜ご飯を作って、先に帰っていたらんとご飯を食べて片付けをしてから自室に入った。


「ナナシさんと湊斗さんが同一人物って事は立証出来たとして、次に、いつ湊斗さんが俺の事を好きになったか、、、、だよなぁ〜。んな事、言われても分かんないんだけど〜、、、、」


何て俺が悩みながら宝箱や写真本を眺めていると、扉がコンコンッと叩かれた。





片付けをすると言った結達を残して俺は先に家に帰った。帰ってすぐに、自室に入って、鞄から2つのノートを取り出す。


「、、、、結の方は見る気が起きんけど、俺のはええよな?」


何て独り言を呟きながら、【蘭夜君日記ノート】を手に取り、適当にページを開く。すると、そこに書かれていたのは。


[7月4日晴れ 今日はマサマサ経由で蘭夜らんや君と尚也なおや君と知り合いました!2人の事を蘭君、なおやんって呼びます!]


[7月5日晴れ 今日も蘭君達と会いました!まだまだ、3人は敬語だけどタメ口で話せたら良いな!今日も蘭君は可愛い!]


[7月6日曇り 今日は蘭君とマサマサ、なおなおに新作衣装を着て貰った!3人共恥ずかしそうにしてたのが、とっても可愛かった!次は蘭君を女装させたいな、何て張り切りながら服作ってます!]


何て意外と綺麗な文字で書かれていた。俺は面白いな笑、何て思いながらページを進めると、あるページが気になった。


[7月8日晴れ 蘭君達と知り合って約1年が経った頃に、蘭君がある相談をして来た。「大学の進路を悩んでるんやけど」言って、言われて、俺は戸惑いながらも「蘭君が好きた道を歩んだら良いんじゃない?、俺は好きだからこのままこの大学に進んだだけで、蘭君がここだ、!って思えた大学にしたら良いと思う」何て言った、けど超恥ずかしかった!!]


そう書かれていた。俺は一瞬、んな事あったか?何て思ったが、少し考えると、


「ぁ、、ぁ〜、んな事あったわ。そうや、先生に進路どうするって言われても悩んでた時やったわ」


俺は少しページを進めてみた。


[10月27日曇り 今日、蘭君が話しかけてくれた!嬉しいって思っていたら、「3ヶ月ぐらい前に相談したやろ?その、俺決めたんよ。内部進学しようと思うわ」って、言われて俺は嬉しいと同時に疑問を覚えて「何で?」って聞いてみたらすぐに返答してくれた。

「、、、、やって、俺が信頼してる人らがおるんやで?頼れるし、それに俺の好きな事が学べるし、、最初は外部進学の方がええんかな、って悩んでたんたやけど、湊斗さんの言葉で結構勇気貰ったわ。ありがとう、やっぱり湊斗さんは頼りになるわ、笑。これからも、その俺を笑わせてや、笑わせてくれる湊斗さんは、、、、俺は好きやで笑」

何て笑顔で俺に言って来た。俺は一瞬戸惑ったけど、次の瞬間、(何このイケメン!可愛い!好き!、ん?好き?人として、、、、いや、!これは恋愛的に好きな方だ!俺の乙女の部分がそう言ってる!!)何て心の中で叫んでたのは、誰にも言えないわ]


何で長文で書かれていて、俺は驚いたと同時に、


「はっ?、ぇ?、、嘘やろ、ぇ?じゃ何?ホンマに湊斗さんは俺の事が好きなん?」


衝撃の事実を知ってしまい、困惑してしまった。


「じゃ、何で?湊斗さんは俺と結の両方が好きって事になるやんか?はっ?どー言う事なん?」


俺がそう戸惑っていると、1階から結の声が聞こえて、降りると結が帰って来て夜ご飯を作っていた。

俺はいつも通りの結を見てある疑問を覚えた。


「(あれ?結はこの事を知ってるんかな?知らなそうやけど、、、、、、、、!いや、この感じはもしかしたら)」


俺は今までの結が湊斗さんに対する対応の変化がもしこの事ならと言うか仮定を付けると色々な事に結び付いて納得した。


「蘭〜ご飯出来たよ〜、って、何固まってるの??」


「へっ?、、ぁ、いや何でもないで、出来たんやろ。食べようや」


「???、うん、そうだね」


俺は一旦気付かれない様にして結に通常と同じ通りに接して夜ご飯を食べる。


「んっ、これ美味いわ」


「本当!ヤッタ笑、、、、、」


俺が言うと笑顔になって、俺に笑顔を向ける結はやっぱり可愛い、、、、、昔から結は俺に心配かけたくないからって自分だけで悩んだりする事が多かった。今回も、それやったとしたら、、、、


「、、、、ホンマに、結は可愛ええな」


俺がそう言うと一瞬硬直したかと思えば顔を真っ赤にして俺を見る結。


「、、、、///// な、何、急に、可愛い、とか、は、恥ずかしいでしょ、!」


何て言いながら顔を覆った結はホンマに可愛いと思ってしまい、俺は結の頬を撫でて、もう1回、


「恥ずかしがってる結も可愛ええで、大好きやで」


「ボンッ ///////// もう、バカァ」


そう言ったきり、恥ずかしいのか早くご飯を食べて片付けをしてから部屋に戻った結。ホンマに可愛いな、、、、、早く付き合いたいけど、!今は湊斗さんの問題を解決せんとな、、何て思いながら俺も夜ご飯を食べ終わる。


そして、俺は自室に戻って2つのノートを持って、結の部屋の前に立つ。


















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