湊斗の気持ちを知ろう編

第12話 ドギマギする俺らの関係



あれから4日が経ち、俺らは夏休みが明けて、高校生活に戻っている。何も変わらずに生活していた。ただ1つを除いて、


「ゆいゆい、!可愛い!本当キュート!」


「ッ 、ゎ、分かりまたしたから、少し声のボリューム落として下さい!」


湊斗みなとさん、煩いんやけど?静かにしてや。大人やろ?」


「ッ (らん何か、怒ってない?)」


冷たい目でワントーン低い声色でそう言った蘭は何処か怖かった。が、言われている当の本人はと言うと、


「ぇ〜、!ひっどーい!蘭君、俺の事嫌いなの〜!?」


「嫌いになってもええんやね?OK〜」


「もうっ!そんな事言って好きな癖に!俺は蘭君の事大好きだからね!」


のほほんとしている。

凄いな、この人俺に告白したし、蘭の事も好きな事言ったのに、平然としてる。いや、この人の場合気にしてないのが正解か?


「ゆいゆい?もう1枚撮って良い?」


「!?ぁ、は、はい!」


「、、、、ゆいゆい、ちょっとお耳貸して」


俺が緊張して返事したのを察知した湊斗さんは俺の耳元で一言、


「告白した訳じゃないんだし、緊張しなくても良いんだけど?」


「///// !!? ちが、で、でも殆ど告白です!」


「ん〜、ぇ〜、告白じゃないけどなぁ〜、ぁ、告白して欲しかったら、何で俺がゆいゆいと蘭君の両方を好きになったか調べてよ」


「、、、、ぇ?」


何て悪戯っ子の様な口調で俺に言った湊斗さん。両方を好きになったかを調べよ!?んなの事分かるか!蘭の方を好きになったのは分かるとして、俺の方は分かんないが!?

何て困惑していたら、蘭がすかさずに、


「湊斗さん、ゆいに何言った!!?」


「蘭君怖〜い!怒ると皺増えるよ!」


「増やしてんの、どっちやねん。結、大丈夫か?」


「、だ、大丈夫。ちょっと、驚いただけだから」


俺そう言って、蘭と湊斗さんのそばを少し離れて考える事にした。


湊斗さんが俺の事を好きになる前に蘭の事を好きにはなってるよね?なら、何で俺の事も好きになった?蘭への好きと俺への好きが同等って言う事だよね?


何て思っていたら、背後から暗いオーラを纏った晴樹はるきが声をかけて来た。服装はロリータ服である。種類的に言えばクラロリ?と言うのらしい。


「結、俺の格好どう思う?」


「晴樹、、、、か、可愛いけど?」


「何で、俺女装、菜月なつきしてない」


「じゃんけんで決めたんだから、!それに僕にそれは似合わないし!」


「菜月、言い過ぎ、それに俺らは俺らで執事服着させられてるし」


そう言っている賢治けんじ達の姿は執事服を着ていて、晴樹の後ろに立っているからかさながら、主人を守っている風に見える。


「3人と麻穂あさほさん、めぐみさんだけは服系統の趣旨が違うよね」


俺がそう目線を変えて言う。その目線の先には、


賢哉けんや君!どう?カッコいい?」


「ぉ、おう。似合うぜ、恵」


「本当?!ヤッタ、!男装久しぶりだから緊張したんだよね〜笑」


「恵は背はあんま高くないけどスーツ良く似合ってるな」


「それ、麻穂先輩にも言われた!」


とおる、ウィッグありとなし、どっちが良いと思う?」


「ぇ、!、、そ、そうですね。どちらも似合うと思いますけど、、、、アリの方が今の麻穂さんには合うと思います」


「そっ、ありがと。こーゆうのは透に聞いた方が良いから」


「!そ、そうですか。ありがとうございます」


黒スーツを着てウィッグを付けてオモチャの日本刀と拳銃を持った麻穂さんと恵さんが居た。


「呼び出されたかと思ったら、急に「はるるん女装!けんけん、ナッツ執事!麻穂さん、めぐめぐは男装!」って、湊斗さんに言われた時は驚いたから」


と、疲れた顔をして言う晴樹の後ろで勝ち誇った顔をした湊斗さんに蘭が、


「後輩にあんな顔させんなよ。アホなんか、アンタ」


「グハッ 蘭君、今日のツンツンさ、いつもの倍以上じゃんか」


何て言うのは無視して、湊斗さんが何故俺と蘭の両方を好きになったかを考えよう。

まず、俺が湊斗さんと会ったのは7月の中旬で、場所は此処。そこから交流があって週3ペースで会ってた。その時は殆ど必ず蘭が居た。2人っきりになったのは、喫茶店で働く事になった時。



『湊斗さん、、、、1つ聞いて良いですか?』


『なぁに、ゆいゆい〜、』


『何で、俺女装なんですか?執事で良いじゃないですか」


『だって、ゆいゆい女装似合うじゃん』


『そう言われてもあんまり嬉しくないんですけど』


『、、、、俺の作った服、気に入らない?やっぱ変?』


『!ぁ、ち、違います!湊斗さんの服は素敵ですし、嫌とかじゃないです!寧ろ、友達にこんな凄い人が居て嬉しいですし!』


『そっか、、、、良かった。、、、、ん?友達?』


『ぇ?俺達友達じゃないんですか?ぁ、先輩後輩って言う関係ですよね、すいません。仲良くなったからてっきり』


『ううん、俺達友達、笑』


『ですよね!ぁ、、、、晴樹達にこの事報告しなきゃ』



何て言うの会話をしたにはしたけど、これで好きになるわけじゃないし。最初に会った以前に、湊斗さんと会った記憶ないしなぁ〜


「ただいま〜、!ジュースとアイス買って来たわよ〜!」

「うわ、中涼しい〜、外暑かったし!」


「本当だ、涼しいね。ぁ、真斗まさと尚也なおや手伝いありがとうね」


「いえいえ、暇ですし」


「筋トレにもなるので」


考えていたら、凛花りんか姉さん達が買い物から帰って来た。相当外が暑かったのか、汗をかいている4人は冷房の効いているこの部屋で涼んでいる。


「、、、、晴樹、賢治、菜月。明日、喫茶店のシフト全員入ってたよね?」


「?うん、入ってるけど、結人ゆいとどうした?」


「ちょっと、相談したい事あってさ」


「良いけど。何か、怖いんだけど」


「、、、、ぁ、湊斗さん案件?」


賢治が閃いた、みたいな顔をして俺に聞くので俺もコクンッと頷けば3人は「あの人何したんだ」みたいな顔に一斉になった。


「真斗、尚也、明日雑誌の撮影現場ついて来てや」


「良いけど、何で?」


「湊斗さん、明日は着いてこんから、相談しやすいんよ」


「「蘭夜らんや/蘭が俺らに相談なんて相当重い話??」」


「口を揃えて言うなや」


何て言うの蘭達と会話は今の俺には聞こえなかった。


「ぁ、結人、蘭夜ちょっと良い?」


「なぁに、凛花姉さん」


「何やねん」


姉さんに声をかけられて、その後ろに悠司ゆうじさんの顔は申し訳なさそうな顔をしている。


「今日、お母さんとお父さん、帰って来るらしいわよ」


「「、、、、ぇ?」」


「さっき急に連絡来たの。2日間泊まったらまた赴任先に帰るらしいけど」


「ぇ?何時!?」


「7時前って言ってたわよ」


と、平然とした顔で言う姉に驚きと焦らしかない俺達。


「どうする!?ただいま5時前!今から帰る途中でスーパー行ってご飯作ればギリ間に合う!」


「そうやな!母さんと父さんの好きな料理って何やったっけ!?」


「チキン南蛮とエビチリ!ぁ、それと白菜と鶏ひき肉あるから、それ使ったスープ!も作ろう!」


「ぁ、私も会いたいし帰ろうかな」


何て言っている姉を気にせず、スマホで1番近いスーパーを検索している俺と、ママに電話している蘭。


「凛花、実は昨日電話あった事伝えないの?」


「良いのよ良いの。めんどくさくて伝えるの忘れてたけど、すぐに対応出来るから。知ってるでしょ、悠司」


「そーゆう事じゃないでしょ」


と言う聞き捨てならない会話をしている2人の歌凛花姉さんには後で聞くとして、俺はすぐに着替えて、


「じゃ、晴樹達また明日!」


「おう、頑張れよ〜」


「賢治、僕そろそろ着替えたい」


「我慢我慢」


「そうだよ。それに」


「はるるん!また撮らせて〜!」


「あーゆうのも居るし」


「晴樹達本当に大丈夫かな」


俺が立ち止まって心配していると、蘭が俺の方を叩いて、


「大丈夫や、ほら」


「ポンッ 湊斗、次変な事したら説教とカメラ没収って言ったよな??後、凛さん、部長報告」


「、、、、す、すいませんした」


「透さんのあの迫力凄いね、ぁ、蘭、結。何かあったら俺らが止めるから帰りな」


「そうそう、透さんが居る間は、、まぁ、大丈夫かだから」


と、真斗先輩と尚也先輩に言われて、俺と蘭は一礼してから部屋を出てスーパーに寄ってから家に帰宅した。


今は、いつ湊斗さんが俺の事を好きになったとか、湊斗さんはどうして俺と蘭の事を好きになったのかが、知りたいが、今はそれどころではない。






湊斗さんにいつもより嫌な態度をとってしまった俺。

やって、しょうがなくない?俺が長年好きで告白もしてアプローチしてる相手に告白まがいの発言をしたんやから!

って言ってもあっちは俺が聞いてるの知らないんやけどな。やのに、肝心の結は、


『湊斗さん、これ少し大きくないですか?』


『萌え袖になる様にしてみました!ゆいゆい可愛いから』


『可愛っ、、、、冗談はその性格だけにしてください』


『ゆいゆい、段々と蘭君に似てきたね』


『ぇ!嬉しいです!』


何て気にしてない結を見ると、俺の方が気になって湊斗さんに嫌な態度をとってしまった。


そして現在、家で両親と結と姉さんと悠司さんと夕飯を食べています。


「結人、蘭夜連絡しないでごめんね。急にお父さん休みになったから」


「全然良いけど、急いでご飯の準備したから疲れたけど」


「蘭夜、ウイスキーを持って来てくれ。悠司君と飲むから」


「はいはい、分かったよ」


手を合わしてごめんねって言う母さんと、少し酔って悠司さんの肩を抱き寄せてる父さん。俺は椅子から立ち上がってウイスキーと氷を取ってテーブルに置く。


「夏休み帰りたかったんだけど、お父さん仕事忙しかったし赴任したばかりだから休みにくくてね」

「夏休み、私達が居なくてどうだった?」


「去年より楽しかったよ。なっ?結」


俺が結にそう言うと、結も笑顔で頷いてから、


「うん、!蘭と姉さんや悠司さん達とBBQしたり、夏祭り行ったりして楽しかった!」


「そう良かった。心配だったのよ、私達が居なくて寂しくないか」


「お母さん、どんだけ結人が寂しがり屋やと思ってんの」


「そうやで、結と2人暮らしは大変やったけど、結一度も寂しいって言ってへんで」


「そうだもん!俺もう高2!」


何てぷんぷんしながら言う結はいつも通り可愛いって思う。すると、悠司さんが焦った声色で、


「お義父さん!?飲み過ぎますって!」


「良いんだよ、!悠司君は飲んでいるのかい!?」


「飲んでますけど、水飲みましょ?!」


何て嬉しそうに飲んでいる父さんに水を飲まそうとしている悠司さんを見て、姉さんは呆れた声で、


「将来の義理の息子と飲めて嬉しいんでしょ。ほら、まいちゃんが秀斗しゅうとさん連れて来た時もあぁだったし」


「「確かに、、、、」」


と、俺と結は揃って言ってしまった。


暫くしててご飯も食べ終わって、俺は食器を洗いながらリビングで嬉しそうに母さんと話している結を見ている。


ガチャガチャ カチャガチャ


「ママ!見て、浴衣着た蘭、カッコよくない!?」


「あら、本当ね、、、、結のは?」


「、、、、撮ってないから、ないかな」


「フハッ 嘘やろ」


明らかにバレる嘘を言ってまで女装した写真を見られたくない結の焦った顔はホンマに可愛ええな、って思う。


「蘭夜、アンタさ、本当に結人の事好きね〜」


そう言いながら冷蔵庫から麦茶を取ってコップに入れる姉さん。


「んっ、ええやろ?ずっと大好きやもん」


「てか、今日湊斗の当たりがちょと強かったんじゃないの?」


「、、、、あの人は、悪くないんやけど、ちょっと、な」


不貞腐れながら言う。やって、いざちゃんと湊斗さんが結の事好きって事分かったら接し方変わるやん!何、人の可愛い弟兼片想い相手に好きって言ってんや!

って思うやん!


「やって、あの人、結に会ったらいつも可愛い、可愛い言ってるんやで。その言葉は俺だけが結に言うのやろって、思っちゃってさ」


「蘭夜のブラコンさ加減はちょっと怖いわよね」


呆れた声で俺に言う姉さんは抜けた声で返答する俺。


「ぇ?」


「だって、結の笑顔は?」


「俺だけのもの」


「結を泣かした奴は?」


「生きて帰さない」


「結と付き合えたら?」


「最高潮でキスをする」


質問を次々と答えると、姉は段々と引いた顔をしながら、静かに一言。


「アンタ、湊斗をいつか殺しそうね」


「殺したりするわけないやろ?後悔はさせる」


何て平然と答える俺はそろそろ結の事が好き過ぎると思うが、好きで何が悪いと真顔で言えるな、何て思っていたら、


「2人共何話してんの??」


「!結、いや、ちょっとな」


「??そう?なら良いけど」


キョトン顔でそう言って冷凍庫からカップアイスを取る結。後ろを向いている結の髪は崩れていた。


「って、結髪崩れそうじゃん。そのまま、止まって結び直すから」


「へっ?ぁ、ならお願い」


、、、、エロいな、、少し汗をかいている首筋と耳は赤くなってて、、、、、エロい。こんな無防備な姿を見てると我慢出来ない。


チュッ ((首元にキス))


「!!?!? ピャッ ///// ら、蘭!!?」


「何?結がエロいのが悪いやろ?」


「バシッ 悪くないわよ。目の前に私居んでしょ。気まずいわよ。私が居ない所でやりなさいよ」


「凛花姉さん!??」


俺の頭にペシッと叩いて真顔でそう言って姉さんとそれに驚く結。


「じゃ、私そろそろお父さん止めてくる。悠司が倒れそうだし」


と、姉さんが目線をやった先には、


「悠司君!ロックで飲んでみなさい!美味いから!」


「お義父さん、そろそろ水飲みましょう。さっき飲んだの少量ですし、!」


「お父さん、相当嬉しいのね」


「お義母さんも止めませんか!?」


「ね?」


「「早く止めなよ」」


俺と結は揃って言ったら姉さんはリビングに言って父さんを止めていた。


「結、、、、」


「、何?蘭」


「キスしてええ?唇に、」


「ピッ ///////// き、キスって、、、、(して欲しいけど、恥ずかしいんだけど!!?)」


顔を真っ赤にして黙る結の顔を触れて、頬にキスしてから、


「沈黙は肯定と受け取るけど?」


「、、、、したければ、したら??」


「そうやな、させて貰うわ、、、、(ホンマに俺を煽るの上手いな〜、可愛いな)」














湊斗さんがいつ、結の事を好きになったとか、今は気にせんでええか。明日、気にすればええな。今は結の事だけを考えよう。
















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