一章:序説 第三十二話 邂逅
がちゃりと扉が開き、ソファへと横たわる。
「だはーもうイヤじゃイヤじゃ」
投げた服を拾い、掛けたりする少女。
「またメルトナーさまが老害になりました」
むぅっと目を細めるメルトナー。
「仕方ないであろう アディス王に危うく殺されるところだったんだからな
駄々もこねよう」
「わたしが言いたいのは"今日も"なんですけどね それにしたって他国の王を恐れるものなのですか?」
そうフードを外す少女。
それは美しい水色の髪に優しい青の瞳の少女。
メルトナー
「ダダン2世は別モノだ
あの王は唯我独尊だ 嫁30人、息子100人
娘が1人だ そして最期の子供が
1人娘に怪我一つ負ってみろ
各国間の協定無視しても、学園もエルテもエーゲもすべてを蹂躙せしめようと考える男だ
恐いと考えて、仕方ないだろう」
少女はどこかそう思えなかった様子だった。
「お優しいそうに見えますが、少々恐い発言も確かですけど」
メルトナー
「"冗談"も言えるからな なおさら悪い
あやつ 下手な言い方したら、その場で俺もお前も殺してたぞ」
思い出す少々。
「ああ、だから何も喋るなと仰ったのですね」
メルトナー
「そうだ」
メルトナーは聞く。
「してどうであった? クレスというガキを」
少女は唇に指をつける。
「とてもいい方だと思います。
天才なわたしも面白そうだなと」
メルトナー
「来年からお前の先輩になるガキだ
よく関わっておけ あやつは
少し驚く少女。
「え、先生 あの人が魔法を扱えるともうお分かりで?」
メルトナーは指で下まぶたを開く。
「"一目"でな!」
少女はお辞儀する。
「さすがは先生 では楽しみにしてます
来年を....」
―――――――、
私は走る。必ずや、あのメリバエンドを回避しようと決意した。
私には思惑は分からぬ。
私はただの村人Aだ。
ただのうのうと推し活のため、脳内でしっかり妄想してきた夢女だ。
けれどもメリバエンドに関しては、人一倍に敏感であった。
いやここで【走れメロス】風に飾っても意味ないから、ほんとうに。
濁流の川を越えられないから、太陽より早く走れないからね?
とは言っても、この学園に簡易裁判所があるのは知っている。
元々この学園は、様々な問題というかは国の文化や思想が大事になりやすい。
派閥を作っているとなおさらだ。
だから簡易的だけど、超法規的な学園裁判所がある。
そこで色々解決するってお話。
だけど、
様々な理由が発覚してクレス・ロンドールを追放するというのが
だけど今回の事件はそもそも"物語が始まっていない"。
なら"彼が追放される理由がない"。
それを止めないといけない!!
けどどうやって?
なんで私は...
そう悩んでいると、誰かにぶつかった。
「おっと大丈夫かい?」
そう言う緑の肩がけ布をつけた彼。
ミエラはその位に驚き、すみませんと謝った。
肩がけ布には位がある。
教皇 赤 枢機卿 紫
大司教 青 司教 黄
司祭 茶 助祭 緑
助祭候補 白 ←私はここ。
そして彼は緑の肩がけ布をかけているため、
自分より一つ位の高い助祭。
「」いえいえ、大丈夫ですよ....
そうすると男はミエラの布を見る。
「君はこの学園で学んでいるのかい?」
ミエラ
「え、あはい ここで学んでいます。」
そう確認する男。
「そうでしたか 失礼ですがお名前は?」
私は答える。
「ミ、ミエラと言います。」
名を聞いた男は顎をさすり、なにかを考えていたようだった。
「君が.....やはり知らないな いえ、助祭候補者として女性が入ったと聞き及んでいたが、まさか君だとは思わなくてね」
「い、いえ 私としては偶然助祭候補者として選んでいただいた次第でして」
男は少し微笑む。
「そんなに恐縮しなくていいよ 私は助祭の身 強い役職ってわけではないんだ」
「そう...だとは言われましても」
少し手を出す。
「私はエデリ エデリ・ベエル・カナンだ
今後ともよろしく。」
ミエラは握手だとわかり、手を握る。
「はい ミエラと言います よろしくお願いします」
って忘れてる。
思わず手を離し、慌てる様子のミエラにエデリは質問する。
「どうしたのですか?」
「ご、ごめんなさい エデリ様
私急用を思い出して、それで急いでて
そのぶつかってしまってすみません!!」
「いいで......すよ」
ミエラはそそくさとその場から去るように行ってしまう。
(けどエデリってどこかで...)
エデリはミエラの背中を見つめていた。
―、
結局
特にダンタリ騎士団による襲撃とラスト。
あそこはトップでクソゲー。
15歳でもゲーム手放すっつの。
難しかったのはゲームシステムのせいなんだけど、ハッピーエンドないか画策しまくった結果っていうのもあるんだけど、....
ただ登場人物たちの笑顔が素敵だった。
綺麗だった。 だから だからこそ
"助けたい"と思った。
それが私の
おじさんに言いつけるんだ。
このゲーム、面白かったのに1秒たりとも触れなかったね!って。
だけどこの子たちの世界に来れて、彼女たち全員救えた!!って言いたい。
なんとしても"自慢"したい。
そう考えてる間に簡易裁判所に着くが、誰も居なかった。
「だれも....居ないの?」
少し落胆する。
もう裁判自体はもう終わっていたことを考慮していなかった。
どうしたらよかったのか...
後ろから声が聞こえる。
「ミエラ」
振り向くと、
グラディウスとアルトとトリステルが居た。
「どうしてみんながここに?」
グラディウス
「あんなことがあったあとだ」
アルト
「そうだね そんな傷だらけのミエラを心配するのもわけないって」
トリステル
「ミエラはここで何をしに?」
3人は周囲を見る。
学園裁判所に居ることがわかった。
グラディウス
(そうか.....)
「クレスという奴が気になったのか?」
ミエラ
「はい 一体どうなったかと....」
アルト
「クレスの件は次回へと持っていったらしいよ」
とそう言われ、驚くミエラ。
「え? そうなのですか?」
アルト
「うん 賢者さまが
ミエラはどこか少し安心する。
どうして安心したのかは分からなかった。
グラディウス
「今回の襲撃で怪我人は俺たち含め6人だ
死亡者は襲ってきたダンタリ騎士団の4人のみ ミエラ 君の判断が俺たちを助けたんだ」
そう言われたミエラはどうしたかったのかを確信した。
私は"箱推し"なんだ。
できるなら、みんなを助けたい。
そして悪役だったクレスも....
彼も悲惨な運命によって、狂わされた人物。
ミエラは自信をつけるため、頬をたたく。
なら.....
ミエラ
(うん 助けよう みんな ハッピーエンドにしか私するつもりないから!!)
そう意気込み、3人のもとへ歩いていく。
――――――――――――――――
その学園は一カ月の休学となった。
表向きは、
実験的な休校による制度改定を提示しているが学園内での内部調査が本命だろうと考える。
イリアス・マルクグラーフ・ロンドールはロンドール辺境伯としての地位を引き継ぐ形となり、領地での再編成が組み込まれていた。
その支援として、俺とハクが入り、その補佐をした。
まだ完全な継承は、辺境伯
その一カ月と考えたら、長いようにも思えるし、準備期間が短いとも思える。
だがやらないといけないことだらけなのか確かだ。
依然として自分の所に、手紙での裁判の通告は来なかった。
これはお流れという形で見たほうがいいかもしれないなと思いつつ、書類仕事をしていた。
イリアス
「」お、おい クレス
クレス
「どうした?」
イリアス
「お前に訪問者だぞ?」
クレス
「そんな連絡来てないんだけど」
イリアス
「お前何をやらかしたんだ?」
イリアスは心配そうにしていた?。
その言い方に疑問を感じたクレス。
「さすがに昨日今日明日で連続で起これば、疲れると思うのだが。」
イリアス
「とりあえず応接間に案内したからすぐに会いに行け」
何か含みのあるような言い方に疑問を感じるが、そのまま応接間へと向かうクレス。
がりゃりと扉を開くクレス。
気付くと抱きつかれていた。
その顔に見覚えがあった。
美しい金髪に、青い瞳。
彼女は屈託のない笑顔で言う。
「お久しぶりですわ クレス様
わたくし
エルテ帝国第二皇女 フレデリカ・エルテ
貴方様をお迎えにあがりました!!」
2人は3年ぶりに
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